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取り入る者

エロイーズの知り合いのシスターに国の内部を調べさせて数日。

そのシスターからの報告を受ける。

その内容はやはり国の内部に敵国の工作員が入り込んでいる事。

そして言葉巧みに取り入っているという事だった。


「という事が調査結果ですよ」

「まさか本当に内部に工作員が入り込んでいたのね」

「でもそれをよく見分けられましたね」

「顔に特徴がある、そうですよね?」


シスターの話ではコレアムの人間は顔に特徴があるらしい。

その特徴は男女関係なくつり目をしている事だという。


「それさえ知っていれば顔を変えようともバレバレですね」

「あなた、本当にシスターなの?腕がよすぎるわ」

「シスターというか教会の人間は相手がどこの国の人間か分かるように教わるとか」

「そういえば私も様々な国の人間の特徴は勉強しましたね」


教会では神の教えという事もあり差別はしないように教わる。

それに伴い相手の顔でどこの国から来たか分かるように教わるらしい。


セクネスとアナスティアも当然それは教わっている。

アナスティアはそれよりもその手際のよさに驚いていたようだが。


「なんにしても議会に取り入っているコレアム人はいますよ」

「でも外国人は政治には参加出来ないっていう法律があるわよね?」

「亡命者だと偽り情報提供と言えば話だけは通せるかと」

「確かにそれなら政治に参加はしていない…」


シスターの話では戦争で国から逃げたという事になっているらしい。

それが情報提供と言い嘘の情報を伝えたという。


それにより戦争を長引かせ国の疲弊を狙っているらしい。

しかもその工作員は軍や国の機密を知る元政治家だという。


「そんな人まで工作員に利用するなんて…」

「それが戦争ですよ、戦争というのは相手を内部から崩壊させる情報戦です」

「なんにしても助かったわ、教会で今後もしっかり頼むわよ」

「はい、それでは私は失礼します」


そうしてシスターは教会の仕事に戻っていった。

アレイシャ達はその偽りの亡命者の事を考える。


そしてアレイシャを殺した工作員についても考える。

するとシスターが戻ってきて言い忘れた事があるという。


「言い忘れてました、騎士団には反勢力も結成されているようですよ」

「反勢力?それってまさか…」

「あのときアレイシャ様を撃ったのがその反勢力、でしょうか」

「その反勢力が国の騎士団をまとめてるとか?」


シスター曰く三年前に不穏な動きをした記録があるという。

その記録を魔法の羊皮紙にコピーして持って帰ったので好きにしていいそうだ。


「では今度こそ失礼しますね」

「魔法の羊皮紙って高級品ですよ?少なくとも今だと値段は…」

「一応見てみましょ」

「そうね、何か分かるといいけど」


その羊皮紙には三年前の行動記録が記されていた。

内容は反コレアム派の貴族達を黙らせる事。


そしてその筆頭になっていたのがアレイシャの両親であったと。

中流貴族の家なので発言権だけはあった。


当時も皇帝にコレアムとの国交を見直すように進言していたという。

そして国内の親コレアム派とも対立していたそうだ。


そのときにはすでに内通者がいたらしい。

それを黙らせるためにアレイシャに任務を出し、殺したとある。


それが見事にハマりアレイシャの両親は自殺。

それにより内通者の手により一気に戦争に発展した。


親コレアム派の人間達はそれでも戦争に反対はしなかったらしい。

そうして今に至り、議会は親コレアム派と工作員が握る。


当然コレアムと内通していて情報を流しているともある。

もはやそれは完全な売国奴であり外患誘致に当たる案件だった。


「でも戦争なんかしたら自分達も無事では済まないわよ」

「それぐらいバルディスタを憎んでいるのです、そういう事ですよ」

「でもやっぱり引っかかる…そんな何もかもが都合よく動きすぎてるわ」

「黒幕を疑うべき、かしら」


なんにしてもエロイーズはそれに引っかかっている。

あまりにも都合よく進みすぎているからだ。


戦争の背後にはもっと大きな何かがある。


その報告からアレイシャ達は違和感を覚える。


それについて自分達で調べるべく行動を開始するのである。

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