表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/230

国内の情勢

忍者の力を借り国内の調査を頼んだアレイシャ達。

朧夜が調査に向かってから数日。

戦争はバルディスタが優勢と伝えられるニュースも聞いていた。

だが三年もの間戦争を続けられるその理由も気になっていた。


「どう思う?」

「戦争の事ですか?」

「歴史上もっと続いた戦争もあるわよ?不思議じゃないでしょ」

「いえ、言いたいのはそこではないんですよ」


言いたいのはなぜコレアムがバルディスタ相手に戦争に踏み切ったかだ。

コレアムは中規模な国で国力でも軍事力でもバルディスタには勝てないのだ。


「少なくともコレアムの国力でバルディスタに勝つのは不可能ですよ」

「それなのに三年も戦争を続けている、やっぱり引っかかるのよね」

「やっぱり工作員などが入り込んでいて終わらせないようにしている…」

「なら勝てない戦争に勝つには内部から糸を引く…」


少なくともヒルデが言う限りではコレアムから見れば自殺行為だと言う。

それなのに勝ち目のない相手に戦争を仕掛け三年間も継続する。


これは何者かが背後にいないと成立しない話だという。

先日拾った銃の事もある、コレアムの国力では外国との戦争には勝てないらしい。


ヒルデが考えるのは黒幕ではなくコレアムが外国を巻き込んだのではと言う。

戦争に参加しているコレアム軍は確かに本国人だ。


だが使用している装備は他国で製造された外国製だ。

その事からコレアムが他国を巻き込み戦争に利用していると踏んでいるらしい。


「それが本当なら戦争加害者って事よね」

「ええ、コレアムは特にバルディスタへの憎悪教育が有名ですから」

「敵だと子供のときからすり込んで憎しみに変える、ですか」

「まさに思想教育ね、普通の国ならそんな教育しないわよ」


そう話していると窓から朧夜が入ってくる。

そういうところは忍者らしい。


「どうでしたか?」

「うむ、やはり工作員は存在する、そして入り込んでいる先は議会だ」

「確か議会は政治的な決定権を持つのよね、最終決定は皇帝だけど」

「つまり議会に入り込んだ工作員が戦争を可決して皇帝もそれを決定した…」


朧夜は報告を続ける。

どうやら工作員は議会以外にも入り込んでいるらしい。


「他にも騎士団にも入り込んでいるようだ、そして全員が偽名だと確信した」

「ふむ、確かに工作員が偽名を使うのは一般的な手口、当然ですよね」

「その偽名には何か共通点とかないのかしら」

「分かりやすい名前…にはしないでしょうね」


朧夜の話ではその国の有名人の姓を名乗るという。

そして名はその国では珍しい名前の組み合わせが多いとの事らしい。


「つまり例を言うならバルディスタの有名貴族の姓を使うなどでござるよ」

「それはその国を貶める目的も含まれます、有名な姓ですから」

「工作員も考えてるのね」

「それで入り込んでるのは分かったけど、どうやってご対面するのかしら」


朧夜が言うには定期的にとある場所で本国人と会っているらしい。

そこで手に入れた情報を本国に流しているのだそうだ。


「ならそこに行けば…」

「確保出来るであろうな」

「でも以前の事も考えると一般人にも紛れてるのかしら」

「それはあるでしょう、ですがそういうのは下っ端でしょうね」


朧夜にその場所を訊く。

その場所は戦場のある国境から二つ北にある小国らしい。


そこのコレアムに近い場所で定期的に本国人と会っているという。

そして次に会う予定があるのが四日後らしい。


アレイシャ達はその場所で工作員を待ち伏せる事にした。

今度こそあのときの復讐を果たすのだと堅く決意する。


「こんなものでよろしいか?」

「ええ、助かりました」


朧夜は契約は残っているので今後も言われれば力を貸してくれるという。

用があるのなら忍にのみ聞こえる特殊な笛を吹くようにとのこと。


その笛を預かり朧夜は街の屋根を伝い去っていった。


とりあえず情報を頼りに国境から二つ北にある小国へ向かう。


その国はランゲベルク。

今いるエルムベルクから五つ北西にある。


アレイシャ達は四日後までにそのランゲベルクへと辿り着けるように進む。


復讐は果たされるのか、戦争はそれだけでは終わらないのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ