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国に潜むもの

ようやくにしてヒルデと再会したアレイシャ達。

今後はヒルデも同行する事となり、今後の活動を開始する。

それはあのときアレイシャを撃ち抜いた者の捜索。

まだ国内に潜んでいるか、それとも敵国に逃亡したのか…。


「この辺りね」

「ここに何があるのよ」

「もしかして三年前のあのときの証拠をお探しですか?」

「それって任務中に何者かに撃たれたというあの…」


とりあえずはあのときに狙撃をした者のいた場所を探す。

とはいえ相手もそんなドジを踏むとも思えないが。


「やっぱり簡単にはいかないものね」

「三年も経過していますからね、証拠なんかあるとも思えません」

「そういや以前川に毒を流そうとした工作員がいたわよね」

「そういえばいたわね、逃がしちゃったけど」


それはヒルデを追う事になる直前の話。

あのとき川に毒を流そうとした工作員はどこへ逃げたのか。


国内で捕まったか、それとも逃げおおせたか。

そんな事も思い出しつつもう少し調べてみる事に。


「駄目ね、やっぱり証拠なんて残ってないのね」

「ん?ねえ、あそこに何か落ちてないかしら」

「崖下?あれは銃のようですね、この距離でも壊れているのが確認出来ます」

「一応拾ってみますか、少しお待ちを」


ヒルデが崖下に下りてその壊れた銃を回収する。

そしてその銃を調べてみる事に。


「ふむ、恐らくどこかに製造記号とシリアルナンバーがあるはずです」

「それってどこで作られたとかの製造証明よね?」

「こういうのは基本的に銃身よ、あと製造国のエンブレムもあるはず」

「銃身…ありました、これでしょうか」


そこにあったのはコレアムのエンブレムだった。

製造記号もヒルデによるとコレアムで作られたもので間違いないという。


「でもなんでそれが壊れて捨てられてるのよ」

「コレアム製の軍用品は基本的に劣悪です、軍の装備の多くは他国から買ったものです」

「つまり渡されてたこの銃が使い物にならず壊れて…」

「仕方なく別の銃でアレイシャを撃ったという事になりますね」


これは証拠になるのか。

少なくとも戦争中に敵国製の装備が捨てられている時点で怪しい。


「先ほどの話もあるので恐らく工作員がバルディスタに潜伏していますね」

「それも一人や二人ではない…よね」

「まさか戦争が終わらないのって…」

「恐らくはその工作員が終わらせないように動いてるからよ」


それは国を乗っ取る上での重要戦略らしい。

敵国の人間を国の重要なポストに送り込み内部から腐らせる。


だが外国の人間をそういう役職にする事は法律で禁じられている。

当然皇帝も議会の人間もそれを知らないはずがない。


ではどうやって戦争をコントロールしているのか。

考えられるのは外交的な理由で上手く丸め込まれているのだろう。


「なんにしても敵国の装備が捨てられている時点で黒でしょうね」

「工作員は確実に国内にいる、ね」

「それでどうやってそれを探すのよ」

「軍人の大半は戦場、騎士も防衛の部隊以外は戦場ですよ」


それに騎士団や軍の本部があるのは帝都の中だ。

街には入れるもののそこまで行くのは無理だろう。


以前の地下水道のように抜け道はあるのだろうが。

それでも下手に侵入して見つかればまた何かと言われてしまう。


ヘーゼルの協力はあるがそこまでする理由にはならない。

そもそも軍人も騎士もほとんどは出払っているのだ。


「戦場に行くのも危険だし…」

「なら少し手間だけど誘い出すとか?」

「そんな都合のいい餌なんか持ち合わせていませんが」

「そうですね、餅は餅屋と言いますから専門の人の力とか」


エロイーズの正体はアレイシャ以外は知らないため却下である。

とりあえずはこの壊れた銃を何かに使えないか考える。


「まあ怪しいものは見つかったし、一旦引き上げましょうか」

「分かりました、それでは何か策でも考えておきます」

「私もそうしとくわ」

「工作員をおびき出す方法…ですね」


そうして一旦近くの街へと引き上げる。


見つけた壊れた銃が意味するものは工作員の存在。


意地でもその工作員に復讐をすべくアレイシャは仲間達と策を講じる。

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