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南へ向けて

ヒルデの足跡を追い南を目指すアレイシャ達。

進路を確認する限りチガットからバイランダへと向かったのだろう。

チガットまでは最低でも数日を要する。

途中に小規模ではあるが街や遊牧民の宿営地もありそれも頼る事となった。


「それにしても南までそんな使うのね」

「仕方ないでしょチェンワ国はそれだけ国土が広いのよ」

「このまま行くと小国の蓮泉に入りますね」

「距離的に今夜はそこで明かす事になるかしら」


とりあえずはその蓮泉の国へと入る事を目標に馬を走らせる。

だが草原は広くその先はなかなか見えてこない。


「本当に何もないのね」

「辛うじて野生動物やそれを狩る遊牧民とすれ違うぐらいですか」

「そりゃチェンワ国の西は広大な草原、内地は荒野だものね」

「チェンワ国って砂漠化も進んでて自然がどんどん減ってるらしいし」


チェンワ国の複雑なお国事情。

国土が広く小国に土地の管理を任せても緑化が追いつかない砂漠化。

首都近辺は発展しているが少し遠くに出ればそこは荒れ地である。


とはいえ小国も本国に管理されているのでなかなか思うような施政も出来ない。

それがこの国の自然を奪っているのだという。


「でもここは草原で自然も残ってるのね」

「あくまでも西の端の方はね、内地の方は砂漠化が深刻なのよ」

「国としての怠慢か、それとも政治が機能していないか」

「なんにしてもチェンワ国って前々からいい話は聞かないものね」


ちなみにバルディスタに支援をしている東の国はチェンワ国のさらに東。

海をまたいだ先にある島国らしい。


「やっぱりヒルデはバイランダに?それとも海を越えた?」

「東の国は支援とかはするけど外国からの人の入国は禁じてたはずよ」

「だとしたら船もやはり出ていないでしょうか」

「その線が濃厚かしら、やっぱりバイランダ経由で西に行ったんじゃない?」


なんにしても東の国は鎖国状態だとエロイーズは言う。

国の方針として外国の危機には力を貸すものの受け入れは一切を禁じているらしい。


「やはり西でしょうね、恐らくバルディスタに戻っているかと」

「結局戻るのね、でもそれでヒルデに会えるのかしら」

「そうねぇ、仮にバルディスタに戻っても別の国の可能性もあるんじゃない」

「コレアムとの国境は隣接する国全てが封鎖されてたわよね?」


コレアムの国境は完全に封鎖されている。

バルディスタもコレアム以外の国へは進めこそするが厳しい検問がある。


「コレアムはバルディスタの西、つまりコレアムのある本国よね」

「コレアムには行けませんがバルディスタからなら行けなくはないはずです」

「一応西には行けるけどね、でも行けるとしたら北西とかになりそうよ」

「恐らくルート的にバルディスタに戻るわ、そこから再スタートかしら」


そうして馬を走らせていると検問所が見えてくる。

どうやら蓮泉に到着したようだ。

エロイーズが事情を話し強引ではあるが通行が許可される。


そのまま蓮泉に入り蓮泉の街を目指す。


距離的にはそんな遠くないそうで夕方辺りには着けるそうだ。


そこから再び馬を走らせ蓮泉の街を目指す。


しばらく走るとそれらしき街が見えてくる。

日は傾き始めているので今日はここで一夜を明かす事となる。


馬を街の入口に縄で縛り待機させる。

とりあえずは宿を確保し休息を取る事となる。


「とりあえず適当に食事ね、ここは辛い料理が名物らしいわよ」

「辛い料理ですか、辛すぎないのなら…」

「あたしも激辛とかは無理よ?」

「なんにしても何か食べましょう」


そうして適当な食堂に入る。

そこでがっつりと食事を済ませ英気を養う。


明日は再びチガットを目指して走る事となる。

きちんと休むのも大切な事だ。


「舌がヒリヒリしますね…」

「辛さを控えめの料理を頼んでもあの辛さなんて凄いわね」

「それでも食べないよりはマシよ」

「とりあえず早くに休みましょう、朝は早いわよ」


宿に戻りさっさと床に就く。


明日も朝早くに南へ向け出発だ。


きちんと眠るのも大切であり体力は回復させる必要がある。


ヒルデの足跡はバルディスタへと戻る事になるのだろうか。

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