新たな世界へ
故郷を見てその覚悟を決めたアレイシャ達。
モナークに言われたその半島へ向かう準備は整った。
新天地への旅立ちは何を見せてくれるのか。
その世界で待っているものとは。
「さて、それじゃ言われた場所へ行きましょう」
「はい、どこへでもお付き合いしますよ」
「私も付き合うわよ、どこでもね」
「あたし達もね、今さら断る理由もないわ」
そうしてバルディスタを出発する。
飛行船に乗り込み、その半島を目指す。
「さて、それじゃ目的地はこの半島でいいのね」
「ええ、頼むわ」
「別の世界ですか、どんな世界なのやら」
「楽しみね、わくわくしちゃう」
そのまま飛行船は半島に向けて飛び立つ。
しばらく飛ぶとその半島が見えてくる。
山の先にある陸地に飛行船を下ろしてモナークに言われた場所へ向かう。
そこは見た感じ何もない山の麓だが。
「ここかしら?」
「何もないわね、本当にここなの?」
「モナーク殿にもらった紙に書かれている限りではここですね」
「隠し扉?巧妙に隠されてたみたいね、とりあえず入ってみましょうか」
その隠された入り口に足を踏み入れる。
中にはモナークが先に来ていた。
「やあ、待ってたよ」
「あんた、本当に移動手段どうやってんのよ」
「それでここからその別世界に行けるのですよね?」
「どうやって行くのか教えてもらえるかしら」
とりあえずはモナークがそれを説明してくれる。
ここの奥にある岩を押し込むと中心に大きな魔法陣が出現する。
「これで行けるのかしら?」
「ああ、ただし一度行ったら簡単に戻ってくる事は出来ない、いいね?」
「問題ないわ、準備はしてきたから」
「我々に問題はありません」
その返事にモナークも覚悟を受け取ったようだ。
モナークは魔法陣に乗るように促す。
アレイシャ達もそれに従い魔法陣に乗る。
そしてモナークが最後の確認をする。
「これが最終確認だ、本当にいいね?」
「ええ、お願い」
「間違ったら許さないけどね」
「お願いします、モナーク殿」
その返事にモナークは首を縦に振る。
そして呪文を唱え始める。
「いくよ、ララキムイタガンマ!」
「行ってくるわね」
「いつかまた会えるときまでお元気で」
「飛行船を頼むわね」
そうしてアレイシャ達は別世界へと旅立っていった。
それから少しして思わぬ客がモナークに会いに来る。
「本当に行ってしまったようじゃな」
「おや、ミィアとキスカじゃないか」
「モナーク様、それで今後はどうなさいますか?」
「そうだね、とりあえず城に案内してくれるかな」
その返事を受けミィアはモナーク達と共に城へと移動する。
彼らが何を話すのか、目的はなんなのだろうか。
一方のアレイシャ達は別世界に到着していた。
その世界は言われた通り暗い空が広がる世界だった。
「ここが別世界なのね」
「本当に空が暗いですね、太陽が見えませんよ」
「それに肌寒いわね、火の神様が管轄外だからなのかしら」
「それでこれからどうするの?」
とりあえずヒルデが少し様子を見てきてくれる事になった。
アレイシャ達はそれを待つ事に。
「暗いし寒いし、神様の管轄って大切なのね」
「そうですね、私達の世界は明るく水も綺麗で暖かかったですから」
「海の水を見ても泳ぐのには向かなさそうですね」
「確かに水が我々の世界に比べると少し濁っていますね」
フィセアの言うように海の水は汚くはないものの、少し黒く見える。
それは水の神が管轄外なのもあるが、工業的な問題もありそうである。
それから少ししてヒルデが戻ってくる。
その報告を聞く事に。
「どうだった?何かあったかしら」
「向こうに小規模ですが街らしきものがありました、そこに向かいますよ」
「分かりました、ではそこへ向かい情報を集めましょう」
「決まりね、案内してくれるかしら」
ヒルデに案内されその街に向かう。
その道中も道は荒れていた。
「道も荒れてるのね」
「地の神が管轄している影響でしょうね」
「神様って凄いのね、改めて思うわ」
「あ、見えてきたわよ」
そうしてその街へと到着する。
ここからが新たな世界の冒険の第一歩となる。
未知なる世界で見られるもの、それはこれからの経験となる。
もう少しだけ続きます。