次の要求は
なんとかネクタルを手に入れたアレイシャ達。
それを持ってモナークの家へと戻る。
そこで次は何を要求されるのかとも考えていた。
やってやるという覚悟を決めた上でモナーク家の呼び鈴を鳴らす。
「おや、その様子だとネクタルを手に入れてきましたね」
「ええ、モナークはいるかしら」
「言われた通りに確保して参りましたので」
「いないなら中で待たせてもらえるかしら」
キスカが言うには今は留守にしているらしい。
とりあえず中で待つようにと言われる。
「お茶とお菓子です」
「どうもね、それにしても賢者様はどこに行ってるのかしら」
「気まぐれな人ですからね、ふらっといなくなるんですよ」
「猫みたいな人ね、なんか」
とりあえずは帰りを待つ事にした。
家の中は自由に見ていいがあまり触らないようにと言われる。
以前も言っていたがこの家にあるものは貴重なものが多いという。
どこから手に入れてくるのかは分からないらしいが。
「にしてもなんなのよ、このコレクション」
「よく分からないものばかりよね、これは画集かしら」
「他にも小説と思われる本もありますね」
「でもなんか違うような、よく分からないものね」
コレクションはよく分からないものが多い。
画集らしき本や小説のような本なども見受けられる。
他には謎の薄い板や薄い本などがある。
その他にはスプーンとフォークが一体化したような謎の食器なんかもある。
これらをどこで手に入れてくるのか。
賢者様の行動は謎も多いものである。
「戻ったぞ」
「おや、お帰りなさいませ」
「やっと帰ってきた、言われた通りネクタルを手に入れてきたわよ」
「これでよろしいのですよね?」
帰ってきたばかりのモナークにネクタルを見せる。
その反応は上々のようだ。
「ほう、まさか本当にネクタルを手に入れてくるとは、やるじゃないか」
「ふふん、甘く見ないのね」
「合格って事でいいかしら」
「これで終わるとも思っていませんけどね」
ネクタルを受け取ったモナークは少し考える。
そして次の要求を告げる。
「確かに合格だ、では次は金のフライパンを持ってきてくれ」
「金のフライパン?そんなものでいいの?」
「…それ難題だと分かって言っていますよね?」
「どういう事?金のフライパンって貴重だったりするの?」
モナークの言う金のフライパン。
それは世の中に出回っている数が少ない代物だ。
そもそもフライパンは一般的には鉄や銅で作るもの。
金でフライパンを作るというのは言うならば金持ちの道楽に近い。
そもそも金でフライパンを作っても調理器具として使うのはもったいないものだ。
つまり単なる趣味で作るようなものである。
金のフライパンは調理器具には向かないし、金もかかる。
要するに金のフライパンとは金持ちの道楽であり、コレクターズアイテムである。
「その通り、つまり金のフライパンっていうのは市場にはまず出回らないのさ」
「うわぁ、分かってて言ったわね」
「ですがその程度ならやってあげますが」
「ヒルデは本気みたいね、なら私もそれでいいわよ」
話はまとまった。
今度の要求は金のフライパン、それをどうやって手に入れるかになる。
「では手に入れに行くとしますか、必ずや手に入れてみせましょう」
「期待しているよ、手段は問わなくていいからね」
「では行ってらっしゃいませ」
「さーて、なら行くわよ」
そうして家を出る。
そこで改めてどうやって手に入れるか考える。
「でもどうやって手に入れるの?職人に頼むとか?」
「そうですね、オーダーメイドになるのは確実です、あとは金の調達ですね」
「そこからなのね、でも金ってやっぱり鉱山で掘るのかしら」
「鉱石から精製してたら時間かかりそうね」
とりあえずは金を確保する事から始める事に。
金山の調査とそれの入山許可をもらいに行く事に。
「では行き先はここでお願いします」
「分かったわ、そこまで飛ばしてあげる」
「よく分からないけど、決まりかしら」
「みたいね、ヒルデを信じましょう」
そんなわけでまずは金山のある国へ飛ぶ。
そこで金鉱石を採掘する事から始める。
金のフライパンはそこから始まるのだ。