竜のリンゴ
ネクタルの材料を求めるアレイシャ達。
神の桃をなんとか入手し、次は竜のリンゴを求めニーザーランドにやってきていた。
比較的温暖な気候のこの国は果物など様々な食べ物が名物でもある。
そんなニーザーランドの竜のリンゴの農園に行ってみる事に。
「ここがその農園かしら」
「リンゴの木が多く生えていますね、間違いないでしょう」
「それで交渉するんでしょ」
「ですね、農園主を探してみましょうか」
そうして農園主を探す。
少し離れた所に農園主の家と思われる家を見つけた。
「ここかしら」
「とりあえず呼び鈴を鳴らしてみましょうか」
「いるといいけど」
「突然の訪問ですらね」
それから少しして中から声がした。
どうやら在宅のようで、とりあえずは安心する。
中から出てきたのはある程度の歳に見えるお婆さんだった。
とりあえずは交渉してみる事に。
「なるほど、竜のリンゴが欲しい、そういう事ですね」
「はい、譲っていただく事は出来るでしょうか」
「ネクタルを作るのに必要なの」
「お金ならある程度は持ち合わせていますが」
お婆さんは少し間を置いて一つ提案をする。
それは今実っているリンゴの収穫を手伝ってくれとの事だ。
そうすれば譲ってくれるとの事。
それぐらいでいいならとその条件を飲む事に。
「話が早いですねぇ、なら早速行くとしますか」
「収穫の手伝いですか」
「竜のリンゴ以外にもリンゴもらえないかしら」
「エイルって本当に食い意地が張ってるわよね」
そのまま農園に移動する。
そこで収穫のやり方の説明を受ける。
そして収穫を開始するのだが、農園が広い。
とりあえず各自分散して収穫をする事となる。
「これはいいリンゴですね、ニーザーランドのリンゴといえば世界ブランドです」
「そうなの?そんな美味しいのね」
「ニーザーランドっていろんな食べ物が美味しいのよ、食べ物のブランド国だもの」
「へぇ、面白いわね」
そんな話をしながらどんどんカゴにリンゴを入れていく。
とはいえ農園はとにかく広く、時間もどんどん過ぎていく。
それから収穫を続ける事実に五時間。
やっと収穫が終わる。
「はぁ、疲れた…足が棒になりそう…」
「エロイーズはスパイを名乗る割に体力ないわよね」
「お疲れ様、とりあえずこれでも飲んで落ち着いてください」
「リンゴジュースね、ありがたくいただくわ」
この農園で収穫したリンゴを使ったリンゴジュース、それはとても美味しかった。
疲れた体にそのリンゴの甘さが染み渡る。
やはりニーザーランドのリンゴは美味しいと感じた。
それだけ質のいいものという事なのだろう。
「さて、約束の竜のリンゴですね、こちらに来てください」
「ええ、それも収穫済みなのかしら」
「そのようですね、収穫したものは普通のリンゴです」
「でも美味しかったからいいわ」
そうして農園主についていきリンゴを保管しておく倉庫に案内される。
そこには先日収穫した竜のリンゴが箱に入っていた。
「これが竜のリンゴです、一箱あれば足りるかしら」
「そうですね、それで足りるかと思われます」
「ありがとう、ありがたくいただくわね」
「確かにさっきの普通のリンゴとは違いますね」
そのリンゴはどこか美しさを放つ黄色いリンゴ。
ゴールデンアップルというべきリンゴだった。
これが竜のリンゴ、この黄金の輝きこそ竜のリンゴなのだと。
ありがたく一箱譲り受け最後の魔王の葡萄を求めグルシュに戻る事に。
「それでは我々はそろそろ失礼しますね」
「また機会があれば手伝ってくださいね、そのときはアップルパイでも出しますよ」
「あら、それは嬉しいわね」
「では我々はもう行きます、感謝しますね」
そうして農園をあとにする。
そしてグルシュに戻ろうと思ったが、すっかり夕暮れになっていた。
今夜は近くの街で一夜を明かし、早朝に発つ事にした。
そんな近くの街に移動する。
「それじゃ何か食べましょ」
「宿は私が確保しておきます」
「頼むわね、ヒルデ」
「食べ物が美味しいんでしょ?早く行きましょうよ」
そうしてニーザーランドの美味しい食べ物を満喫し夜が明ける。
そして早朝にグルシュに向かって飛び立つ。
最後の魔王の葡萄とはどんなものなのだろうか。