神の桃
三種の果実を求めまずは桃のあるチェンワ国にやってきたアレイシャ達。
そこでエンブレムを使い国の中はとりあえず自由に動けるようになった。
そして桃を栽培する農園の場所を聞き出し、農園へとやってきていた。
そこで神の桃を譲ってもらう事は出来るのか。
「エンブレムの効果は絶大ね、独裁者すら黙らせたわ」
「それはそうとここが神の桃を栽培してる農園よね」
「そのようです、譲っていただけるかは分かりませんが、話だけでもしてみますか」
「どんな味なのかしらね、神の桃って」
とりあえず農園の主の下へ向かう。
農園から少し離れた場所に農園の主の家はあった。
「失礼します、誰かいらっしゃいますか」
「なんだ、客か?こんなところになんの用だ?」
「神の桃を栽培しているのはここの農園であっていますよね?」
「わけあって神の桃が必要なんです」
出てきたのは初老の男性だった。
彼は間違いなく神の桃を栽培しているのは自分だという。
譲ってもらえないかと交渉をしてみる事に。
それに対して反応はというと。
「神の桃な、譲ってやってもいいがタダでとは言わんよな?」
「何をすればいいのかしら」
「変な要求したらしばき倒すわよ」
「それでそちらの要求はなんですか?」
彼の要求は桃の生育に必要なものを分けろとの事。
ちなみに桃の生育に必要なものはというと。
「桃の生育に必要なものってなんなのかしら」
「簡単だ、若い女の体液だよ」
「は?ふざけてるならはっ倒すわよ?」
「いえ、恐らく神の桃とはこの国の神話に基づくもの、そうですよね?」
男性曰く神の桃の生育には若い女の新鮮な体液が必要だという。
それはこの国の神話に基づいているとヒルデは言う。
桃がなぜこの国では神格化されているのか。
それは神話から生まれたこの国の風習らしい。
詳しく話すと絶対に怒るのであえて言わないのもヒルデらしさか。
それでどうするかというと。
「誰でもいいぞ?断るならやらん、若い女は村にたくさんいるからな」
「どうすんのよ…流石にそれは恥ずかしくない?」
「はぁ、ならあたしがやるわよ、それでいいわね?」
「アナスティア…そういうのなら私は止めませんけど…」
少し複雑ながらもアナスティアがその役を引き受ける事に。
男性は体液を採取するために奥の部屋に行くように言う。
他の一同は部屋の外で待つ。
それから少ししてアナスティアが出てくる。
「お待たせ、終わったわよ」
「何もエロい事されてないわよね?」
「エロイーズが何を想像しているかは知りませんけど、体液とは唾液の事ですよ?」
「へっ?ヒルデ…あなた意味深に言うから勘違いしたじゃない!責任取りなさいよ!」
ヒルデも人が悪いものだ。
エロイーズが何を想像したのかは想像に任せる。
ちなみになぜそんなものが生育に必要なのかというと。
若い女の唾液には神の桃にだけ作用する解明されていない作用があるらしい。
ヒルデもなぜかは知らないし、農園主もその仕組みは知らないという。
完全にしてやったりである。
「さて、神の桃が欲しいのだろう?この前収穫したものがある、持っていっていいぞ」
「感謝します、それはあちらの倉庫ですか?」
「食べてみたいものだけど、今回ばかりは我慢ね」
「なんか私だけ暴走してたみたいじゃない」
農園主に連れられ神の桃がある倉庫に向かう。
そこには先日収穫した神の桃が箱で10箱ほどあった。
「ふむ、状態もいいですね、では一箱ほどいただいていきます」
「神の桃は傷みにくい代わりに汚れに敏感だ、特に感情が桃を傷つけるからな」
「つまり邪な感情とかが桃を痛めちゃうって事ね」
「分かりました、扱いには気をつけます」
そうして農園をあとにする。
飛行船に戻り次は竜のリンゴがあるというニーザーランドへ向かう事に。
「目的地は南の島国ニーザーランド、頼むわね」
「任せて、一気に行くわよ」
「南の島国…今の季節は…」
「竜のリンゴ、どんなものなのかしらね」
そんなわけでニーザーランドに向けて飛び立つ。
そこには竜のリンゴを栽培する農園があるはずだ。
だがヒルデの考えている事も少し気になるのであった。