次の無茶振り
聖剣を無事に手にしたアレイシャ達。
それをモナークに渡すべく再びモナークの家へと向かう。
次は何を言われるのやら。
それも考えつつ家に向かっていた。
「それにしてもあのモナークって何者なのかしら」
「賢者って言うからにはお爺ちゃんだと思ってたわよ」
「イメージというのは当てにならないものですね」
「だとしたら賢者とかそういうのって若い人も多かったりするのかしら」
そんな話をしていると家に到着する。
家の呼び鈴を鳴らしてみると。
「おや、みなさまでしたか」
「えっと、キスカさんよね、モナークに言われたものは持ってきたわよ」
「分かりました、では中へどうぞ」
「お邪魔します」
とりあえず中へ通される。
だが肝心のモナークは留守のようだ。
「主人は留守なので少々お待ちください」
「ええ、それにしても本当に自由な人ね」
「それにしても賢者というからには珍しいものを集めているようです」
「本当ですね、私も知らないようなものがたくさんあります」
ゼスフィも知らないようなものの数々。
それは賢者のコレクションなのだろうか。
武具や装飾品、珍しい道具まで多数の品がある。
それらはキスカ曰く主人が好き好んで集めているものらしい。
「見るのは構いませんが、触らないでくださいね」
「変なものばかりね、この板みたいなのなんなのよ」
「他にもよく分からない本とかあるわね、やけに薄いけど」
「こっちは…小瓶?薬瓶かしら」
そんなモナークのコレクションを見せてもらう。
とはいえよく分からないものばかりで、どうにも理解が出来ない。
だがこれらはどこから集めてくるのか。
賢者というだけあって実は別の世界に行けたりするのか。
謎は深まるが、難しそうなので考えないでおく事に。
それから少ししてモナークが帰ってくる。
「戻ったぞ、キスカ」
「お帰りなさいませ、ご主人様」
「やって帰ってきたわね」
「頼まれていたものは手に入れてきましたよ」
言われていた聖剣をモナークに見せる。
その反応はというと。
「ふむ、まさか本当に手に入れてくるとは、思ったよりも骨があるね」
「それで、次は何を頼むのかしら」
「どうせ無茶振りするんだから、何を言われてもやってあげるわよ」
「だそうですよ、ご主人様」
それを聞いたモナークは少し考える。
そして次の無茶振りを思いついたようだ。
「そうだね、では次は幻の酒と呼ばれるネクタルを持ってきたまえ」
「ネクタル?それは神が作ったお酒と呼ばれるものですよね?」
「そんなものどこで手に入れるのよ、まさか神様を探せとか言わないわよね」
「それともどこかで手に入るとでも言うのですか」
次に要求されたものは幻の酒と呼ばれるネクタル。
それは神が作ったとも言われるお酒で、少なくとも店に並ぶようなものでは決してない。
それどころか現存しているかも怪しいものである。
だがモナークが言うからには入手出来るのだと思われる。
「いいわ、ならやってみせるから」
「いい返事だ、ヒントはあげられないけど、現存はしているとだけ言っておくよ」
「そうですか、なら探してみるとします」
「何か必要であれば、お申し付けください」
そんなわけで次の要求は幻の酒であるネクタルになった。
それに関する情報をどうするか考える。
神の酒なら神様に訊くのがいい。
少し頼ってみる事にした。
街の裏路地へ移動して、その相手を呼んでみる。
少ししてその相手が出てきたようだ。
「なんの用だ、協力は別に構わんが突然呼ぶな」
「ごめんなさい、でも銀龍に少し訊きたい事があるの」
「ネクタルというものを探しているの、何かご存じないかしら」
「ネクタル?ああ、それなら酒の神と呼ばれるバッカスを探せ」
銀龍が言う酒の神バッカス、それはこの世界にいるものなのか。
それも訊いてみる。
「どこかは知らんが、葡萄酒の有名な国にいるらしい、それだけだ、ではな」
「行っちゃったわね、葡萄酒の有名な国?」
「だとしたら…とりあえず心当たりあるから行ってみましょう」
「分かりました、では頼みます」
そうして銀龍の言うバッカスを探しに葡萄酒の有名な国に飛ぶ。
そこでネクタルが手に入るのか。
ここからは無茶振りで世界を飛ぶ事になりそうだ。