聖女のお話
聖女の聖剣を探すように言われたアレイシャ達。
とりあえず情報を求め再び夜の魔女図書館にやってきた。
ここなら情報も少しぐらいは得られるだろう。
そう考え聖剣に関係する情報を探す事に。
「すみません、伝承などについて調べたいのですが」
「伝承ですか?それなら六番図書館になります」
「六番図書館ね、ありがとう」
「行ってみましょうか」
伝承などの書物があるのは六番図書館らしい。
とりあえずはそこに向かう事に。
「ここが六番図書館みたいね」
「司書の方に訊いてみますか」
「にしても本当に広いわね」
「流石と言うべきなのかしら」
司書に聖女の聖剣について尋ねる。
それに関係する伝承の本があるはずだ。
「すみません、聖女の聖剣に関係する伝承などについて知りたいのですが」
「聖女の聖剣ですね、それなら28番の19番、そこにある青い表紙の本になります」
「分かったわ、ありがとう」
「その本を探してみますか」
言われた本棚へ向かい青い表紙の本を見つける。
それは確かに聖女の伝承がタイトルになっていた。
その本をまずは読み解いてみる事に。
適当なテーブルに移動してその本を開いてみる。
「ふむ、やはりジャンヌ・ダルクの事のようですね」
「ジャンヌ・ダルクってシスターみたいなのだと思ってたけど、騎士か何かなの?」
「これを見る限りでは剣を取って戦ったってなってるわよ?」
「その剣が目的の聖剣なのかしら」
聖女ジャンヌ・ダルク、この本では剣を取り戦っていたとされる。
その際に握っていた剣が歴史を経て聖剣になったのだろう。
オルレアンの聖剣とはそういう事だ。
その剣は今はどこにあるのか。
「それにしても凄いわね、富も名声も全部手に入れていて」
「若くしてそれを手にした事が彼女の悲劇でもありますからね」
「やっぱり富や名声って人生をおかしくしちゃうものなのかしら」
「かもしれませんね、権力を握ったら人は豹変すると言われるようなものです」
それでその肝心の聖剣についてだ。
かなり昔の出来事でもあるので、今はどこにあるのかという事だ。
「えっと、彼女の使っていた剣は霧の向こうにある湖に安置されている…」
「どこよそれ、というかなんでぼかすの?」
「どこかの馬鹿が盗みにこられないようにでしょうね」
「それでその霧の向こうにある湖ってどこなの?」
恐らくはこの国のどこかとも思われる。
そっちは魔女に訊いてみた方が早そうだ。
適当な魔女を捕まえそれについて尋ねる。
霧の向こうにある湖とはどこなのかと。
「霧の向こうにある湖?うーん、それってどこだったかしら?」
「この国のどこかだとは思うのですが」
「それってもしかしてあそこじゃない?ほら、郊外にある森林地帯の」
「郊外にある森林地帯?そこが霧の向こうにある湖なの?」
魔女が言うには郊外、つまり田舎にある場所だと思うという。
そこの森林地帯に常に霧に覆われた場所があるそうだ。
そこの先にある湖がそれなのではないかと。
だがそこに行くには霧をなんとかしないといけないという。
「その霧をなんとかするってどうすればいいのよ」
「そうね、ならこれをあげる」
「何よこれ、小さな瓶みたいだけど」
「これは魔封瓶っていうの、たぶんその霧は何かしらの魔力のはずだから」
つまり魔法の力と思われる霧を瓶に封じてしまえばいいという。
実際過去に実験して成功しているので問題はないはずだと。
そこでこの魔封瓶に霧を封じてしまえば湖にも行けるはず。
魔女の技術で作ったものなので安心して使っていいそうな。
「分かりました、ではありがたく使わせていただきます」
「その場所はここから北にある郊外にある森林地帯よ」
「北の郊外にある森林地帯ね、それじゃ行ってみるわ」
「何があるか分からないから気をつけてね」
そんなわけで目的地が決まる。
霧の向こうにある湖、そこにその聖剣があるとの事だ。
「それじゃエイル、頼むわね」
「任せて、そんな遠くないしすぐに行くわよ」
「とはいえ今は夜よ、朝になってからね」
「では宿に戻りますか」
そうして目的地が決まる。
郊外にある森林地帯がその場所らしい。
聖剣とはどんな剣なのだろうか。