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西にあると言われる秘宝

龍の神の調査を終えたアレイシャ達はヒルデの手を治す針を探していた。

その針は風龍の言っていた時守の針。

今までに分かっているのは西にあるという事。

とりあえず情報にある西にある大きな国に来ているのだが。


「んー、やっぱ大都市はいいわねぇ」

「それより時守の針について調べるんでしょ」

「そうね、でもどこに行けばいいかしら」

「秘宝関係だと骨董屋やパブ辺りでしょうか?」


とりあえずは骨董屋に行ってみる事にした。

この国は骨董品を扱う店も多いので何か聞けるかもしれない。


「いらっしゃい」

「本当によく分からないものが売ってるのね」

「これ遺跡なんかの出土品ですよ」

「とりあえず訊いてみますか」


店主に時守の針について訊いてみる。

それについて返ってきた返事は。


「時守の針?聞いた事ねぇな、その名前自体今聞いたぜ」

「うーん、ならもっと大きいお店とかは…」

「うちはこの都市でも一番でかい店だ、俺が知らねぇなら他が知ってるとも思えねぇぞ」

「ならせめて何か情報が得られそうな施設とか人とか思い当たりませんか?」


店主は少し黙ってからある施設の名前を言う。

その施設は魔女図書館、この国の生き残りの魔女が住む図書館だとか。


話では昔魔女狩りと称した大規模な私刑が行われた歴史がこの国にはあるそうな。

だがその私刑で殺されたのは誰も魔女などではなかったと。


そして本物の魔女達は今もこの国のどこかに隠れ住んでいるという。

それこそが魔女図書館であり、そこの書物には人智を超えた知識が記されているらしい。


ただ店主も噂を聞いただけで場所は知らないという。

それでも探してみるかと尋ねてきた。


「そうですね、それはそれで面白そうですから探してみますよ」

「ただ気をつけな、この国の人間は魔女って言葉を聞くとおっかない顔をするぜ」

「歴史があるからですか」

「でもやらないよりはマシよ、情報ありがとうね」


そうして店を出る。

店主もそれを楽しそうな顔で見送っていた。


「にしても魔女って」

「あら、水龍の時に会ってるんだから嘘とも思えないわよ?」

「だとしても街の人には訊けませんし、どうやって探すんですか?」

「せめて何か手がかりになるようなものでもあれば別なんでしょうが」


街の人に訊くのはよくないと考え他の手段を探す。

すると足元に黒猫が現れた。


「黒猫だわ」

「なんか悪い事起きたりしないわよね?不吉の象徴って言うし」

「あら、走り出したわ」

「もしかして…あの猫を追うわよ!絶対に見失わないで!」


走る黒猫を見失わないように追いかける。

とはいえ猫の足は速い。


ヒルデが先行して猫をぴったりマークする。

それを追いかけるように猫とヒルデを追いかける。


そして辿り着いたのは人気のない裏路地。

そこに黒猫とヒルデがいた。


「ここって行き止まりよね?」

「ほう、ここに辿り着くとはなかなかの人達のようだな」

「今なにもないところから…あんた何者?」

「噂に聞く魔女かしら」


闇から溶けるように現れた黒いローブの女。

黒猫が懐いている様子を見ても恐らく魔女だろう。


「我々の館への客人、だが今は駄目だ、日が完全に沈んだ刻にもう一度来るといい」

「夜しか入れてもらえないという事ですか」

「そうだ、我らの館へと足を踏み入れたくば日が完全に沈んだ無月の夜に来い」

「つまり夜でそれも月が完全に見えない時間という事ですか」


魔女が指定した時間は月が見えなくなる夜。

その夜にここに来れば館へと招き入れてくれるという。


その条件を飲む事にして一旦その場を離れる。

あの黒猫は魔女の眷属か何かだったのだろうか。


とりあえずは月が見えなくなる夜を適当に時間を潰して待つ事に。

魔女図書館、それはあの何もない路地から行くというのだろうか。


「それにしてもあの魔女なんだったの」

「何もないところから現れたし」

「とにかく無月の夜を待つしかありませんね」

「魔女らしく夜という事なのかしら、よく分かんないわ」


そうして時間を潰しているうちに夜になる。

この国は夜の治安は悪く警戒は怠らない。


そうして再びあの路地へと向かうのだった。

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