大量の料理
金龍の調査を終えて集落に戻ったアレイシャ達。
そこで約束通り料理を作る事に。
ヒルデとシファが大人数の料理の調理にかかる。
しばらくして料理が出来たようで。
「出来ましたよ」
「おやおや、本当にこんなに作ってくれて」
「これぐらいお安いご用ですよ」
「すまないね、とりあえずみんな呼んでくるとするかね」
そうして長が集落の人達を呼びに行く。
しばらくして大勢の集落の人達が集まってくる。
「お、出来たのね、美味しそうじゃない」
「そうね、これならたくさん食べられそう」
「エイルは少しは自重しなさい」
「まあまあ、では我々もいただきますか」
そんなわけで集落の人達と一緒にその食事をいただく事に。
集落の人達も美味しそうにその料理を食していた。
ヒルデ達は長から少し話を聞いているようだ。
一応情報収集という事なのか。
「ヒルデは長に何か聞いてるみたいね」
「みたいですね、ヒルデさんは流石ですよ」
「少しは休めばいいのにね」
「あの体力モンスターが休むとも思えないけどね」
確かにヒルデは化物みたいに体力がある。
それは傭兵時代の名残なのか。
なんにしてもヒルデの体力は確かに規格外ではある。
今までにも息切れしているところを見た事がないのだ。
「それにしてもエイルの食欲はなんなのよ」
「軍隊時代に厳しい訓練とかしてて食事はきちんと摂らなきゃならなかったのよね」
「それで自然と大食いになったと」
「つまり栄養をたくさん摂れるようにという事ですよね」
エイルの大食いは軍隊時代にたくさん食べていたかららしい。
つまりは元々は少食だったのか。
そこについても訊いてみる。
大食いは元々ではなかったのか。
「軍隊に入る前は精々パンを8個ぐらいしか食べなかったわよ?」
「それでも8個も食べてたのね」
「それが多いか少ないかは微妙なところですね」
「いや、普通に多いと思うんだけど」
エロイーズのツッコミも分からなくはない。
入隊前はパンを精々8個、今は普通に20個近く食べるのだ。
エイルの食欲は軍隊に入ってから増大したのか。
やはり軍隊とはそれだけ栄養を必要とするという事なのか。
「でもエイルさんの食欲は軍隊でのものだったんですね」
「そうね、今は普通に2000キロカロリーぐらい当たり前に摂るわよ」
「それなのにその体型維持してるとか、羨ましい話だわ」
「寧ろどうやって維持してるのか謎の方が多いわね」
エイルは確かにそれだけ食べる割にはスタイルがいい。
やはりきちんとそのカロリーを消費しているという事なのか。
アナスティアもエイルの食生活は羨ましいと思っていた。
好きなだけ食べても太らないのはそれだけ動いているという事だろう。
「でも美味しいものは健康に悪いものとか言わない?」
「あー、それ凄く分かる」
「確かに健康にいいと言われる食べ物で美味しかった試しがないわね」
「要するに不健康な食べ物ほど美味しいって事かしら」
エイルの持論ではないが、美味しいものは健康に悪いもの説。
確かにそれは他のみんなも納得する話でもあった。
アナスティアもダイエットで少し食事を制限した経験がある。
その結果の結論は健康にいいと言われる食べ物は美味しくないという結論に至ったのだ。
「でも好きなものを食べたくてもやっぱりお腹周りが気になるのよね」
「アナスティアは運動はするのよね?そうでもなかったらそんな服着れないわよ?」
「アナスティアは運動神経はそこそこいいのよ、だから大きくは太らないの」
「実際教会でもシスター達の中ではスタミナは一番でしたからね」
セクネスやアレイシャもアナスティアが運動好きなのは知っている。
過去にも痩せたいと言ったら真っ先に走りに行くようなのがアナスティアなのだ。
今日の食事もきちんと食べている辺り分かっているのか。
楽して痩せようという考えはないらしい。
「さて、それじゃ明日からはとりあえず針探しね」
「あの秘宝ってやつね」
「本当にあるのかは分かりませんけど」
「なんにしても行ってみるのみ、よね」
そうして集落での食事会は過ぎていく。
翌朝からは次の目的を目指しての旅になる。
例の滅びた街はもう少し先になりそうだ。