金龍の遺跡
最後の龍の神である金龍の調査に向かうアレイシャ達。
その遺跡は砂に少し埋れているが調べるには問題はないそうな。
金龍の調査を終えたら次の目標を考える事にしている。
とりあえず今は目の前の目標に向けて進むのみである。
「ここが金龍の遺跡ですか」
「みたいですね、砂に少し埋れていますがこれなら問題はないかと」
「ならさっさと進みましょうよ」
「足元には気をつけてくださいね」
そんなわけで先へと進む。
砂に埋もれているという事もあり足元は少し不安定だ。
「にしてもなんでこんな事になってんのよ」
「恐らく元々は砂の高さよりも地面が低かったものかと」
「それで砂が積み上がって遺跡より高くなったのね」
「砂漠の遺跡にはたまにこのようなケースも見受けられるのですよ」
シファの言うように砂漠の遺跡は砂に埋もれている事もたまにある。
砂漠という特殊な土地だからこそ起こり得る事なのだろうとは言うが。
なんにせよここはそこまででもないので進むのに支障はない。
足元に注意しつつ奥へと進む。
「ぺっぺっ、砂が口に入るわね…」
「風も少し吹いていますからね、砂が舞っているのですよ」
「目とかにも気をつけるのよ」
「砂って厄介だわ」
とりあえずは砂をなんとかしつつ先へと進む。
この遺跡自体はそこまで広くないのか、規模は小さく感じる。
そんな遺跡を進んでいくと砂に埋まった地下への入り口も確認出来た。
とはいえ砂に埋もれていて入れないため無視して先へと進む。
それからしばらく歩くと祠が見えてきた。
足元に注意しつつ祠のある広間へと向かう。
「これが金龍の祠ね」
「とりあえず調査の方をさっさと終えてしまいましょう」
「それじゃさっさと終わらせるわよ」
「頼みましたよ」
それから祠の調査は順調に終わる。
そして今回も出てきたようだ。
そこにいたのは長い髭を生やした老人だった。
彼がどうやら金龍のようである。
「お主達か、我らの事を調べているというのは」
「あなたが金龍なのね」
「流石の貫禄を感じさせますね、まさに龍の神の長と言うべき風格です」
「威圧感も今までとは別格ね」
とはいえ金龍も争うつもりはないようだ。
アレイシャ達の事は興味深そうに見ているが。
「そういえば神様って年齢と見た目が一致しないのよね?緑龍に聞いたわよ」
「うむ、私は最年長ではあるが緑龍もあれで古参でな」
「実際何歳なの?何百歳とか言われても驚かないけど」
「年齢については気になるところではありますね、神というだけに」
金龍が言うには自分は千年単位で生きているという。
若い龍の神でも百年単位で生きている者がほとんどらしい。
「私は少なくとも緑龍と同じで千年単位で生きている、十年単位の神はいないな」
「見た目と年齢は一致しないけど、長生きしてるのは本当に長生きなのね」
「緑龍がロリババアだったのを見ても見た目ってどうなのかしら」
「実は自由に変えられるとか?」
金龍の話では、世界に合わせてその姿を変えるという。
決まった姿は持っておらず、人間界や他のその世界に合わせた姿になるらしい。
つまり神というのは超常的なものであって、姿を持つものではないらしい。
あくまでも世界における概念のような存在が神というものなのだとか。
「つまり我々が見た龍の神はこの世界に適応するための姿と受け取っていいですか?」
「そうだ、お前達が見たその姿はこの世界に適応する姿でしかない」
「なんか神様って凄いのね、まさに人知を超えた存在なのかしら」
「人間が神様を崇める理由が分かった気がするわね」
金龍もこの世界に合わせその姿を取っているに過ぎない。
神の姿は精霊などと同じで固定の姿は持たないのだ。
それが神という存在であり、真実。
やはりそういうものは存在していたのだ。
そう話していると今回もその気配を感じ取る。
金龍も一度会ってみたいようだ。
「出おったようだな、お前達も来るだろう」
「もちろんよ」
「もう少し何か聞き出したいしね」
「なら会いに行きましょうか」
そうして今回も現れたであろう白フードに会いに行く。
今回も少しは話を聞けるのか。
彼女の真実に近づくのはもう少し先になりそうである。