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雨の壁

雨龍の事を調べるべくその許可を得るために長に会うアレイシャ達。

その長に会って祠へと立ち入る許可をもらう。

長とはどんな人物なのか。

いよいよ長とご対面である。


「失礼します」

「あなた達が雨龍について調べているという者達ですか」

「ええ、それで許可をいただきたいのだけれど」

「その許可はもらえるのでしょうか」


長は少し間を置いて言う。

許可自体は出せるが、祠に行くにはあるものが必要だと。


「祠に行くには吸水の石というものが必要です、それを手に入れればお好きにどうぞ」

「吸水の石?それはどんなものなの?」

「名前からして水を吸い取る石って事よね」

「なんでそんなものが必要なのよ」


長の話では祠の洞窟には雨の壁があるらしい。

自分達も祠に行くときには吸水の石を使っていくのだという。


なのでそれがなければ祠に入る事は出来ないらしい。

どうやってそれを手に入れるのか訊いてみた。


「その石なら近くの荒野にありますよ、少し大きめの黄色い石です」

「仕方ありませんね、それを取りにいきますか」

「そうね、必要なのなら仕方ないもの」

「それでは行ってみますね、失礼しました」


そのまま長の家を出て近くの荒野に向かう。

そこで吸水の石を探す事に。


荒野を調べて回ると珍しい鉱物なども多少出てくる。

どうやらこの国自体珍しい鉱物などが出るとヒルデは言う。


せっかくなので換金目的でその珍しい鉱物なども確保しておく事に。

あとは吸水の石を探すわけだが。


「吸水の石なんてないじゃないのよ」

「大きめのものというからには目立つはずなのですが」

「もう少し探してみるしかないわよね」

「もっと探してみますよ」


そのまま吸水の石を探す。

するとそれらしきものを見つける。


「これかしら、大きめの黄色い石って」

「そのようですね、それでは回収してしまいますか」

「それにしてもこの石が水を吸うのかしら」

「雨の壁って言ってたし特別な石なんじゃない?」


とりあえず確認してもらうべく長の家に戻る事に。

その石で本当に水が吸えるのか少し疑問も残るので。


「これでよろしいですか?」

「ええ、間違いないですよ、あとはこれに術を施すだけです」

「普通の石だと思ってたらそういうからくりなのですね」

「それで時間はどれぐらい使うのかしら」


長の話では一晩あればそれは出来るという。

寝床は貸してくれるそうで、一晩待って欲しいとの事。


仕方ないので今日はここで一晩を明かす事にした。

そんなわけで一旦は自由である。


「それにしてもこんな荒野の国なのに雨が止まないのね」

「それも雨龍の力なのですかね」

「土が多いからこの雨では土砂災害も多発しそうですね」

「近くに岩山などもありますからね、確実に起こっているのかと」


荒野と砂漠の国だけあり砂や岩山などが近くには多い。

そしてこの雨なのだから土砂災害が起こらないわけがない。


砂漠の砂は雨で固まるだろうしこの国の独特の事情はありそうだ。

めったに止まない雨がこの国にどんな影響をもたらすのか。


それは荒野と砂漠の国という事からも想像はしやすいだろう。

そのせいなのか岩山の近くなどには人はあまり近づかないようだ。


「にしても凄い雨よね」

「農業とか出来なさそうよね、元々の土地に加えて」

「ただでさえ不毛の土地ですし、それに加えてこの雨ですからね」

「農作物なんか育たないと思いますよ、仮に雨がなくてもそれなら日射がありますし」


雨が降らなくても土地柄作物などは育たないだろう。

シファが言う事も的を射ているのかもしれない。


この国の土地からしても草などが少ないのは石を探しているときに確認している。

植物自体育ちにくい環境だと分かるのだ。


だからこそ独自の食文化なども生まれている。

この国はそんな環境の中でも逞しく生きている。


「さて、では家の中に戻りますか、風邪を引かれても困ります」

「流石にこの雨じゃね」

「お腹が冷えちゃうわ」

「アナスティアは元々でしょうに」


そんなわけで石に術が施し終わる明日を待つ。

雨の壁というのも少し気になるが。


雨音の中で一夜を明かすのも悪くないと思った。

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