修練を越えろ
紫龍の祠を目指して北にある遺跡へとやってきたアレイシャ達。
この遺跡は修練場も兼ねているとの事。
そんな修練を突破しなければ祠には辿り着けない。
アレイシャ達はその修練へと挑むのだった。
「まずは入り口ね」
「扉を開けるスイッチが鉄格子の向こうにあるわ」
「手元にあるのは大きめの石ぐらいね」
「つまりあれをぶち当てればいいのですね、少し下がっていてください」
ヒルデが石を手にしてみんなを後ろに下がらせる。
そしてヒルデが大きく振りかぶり石を投げつける。
「開いたわね、ってかヒルデの今のなによ」
「針の穴を縫うようなコントロールだったわね」
「鉄格子の穴は大きめとはいえ、なんなのよあのコントロール」
「これで進めますね、行きますよ」
ヒルデのコントロールに脱帽しつつもさらに奥に進む。
次に待っていたのは壁に埋め込まれた二つの鎖。
どうやら同時に引いて扉が閉まる前に駆け抜けろとの事のようだ。
ここは連携が大切なので。
「私とアナスティアで扉を開けます、そしたら一気に走りますよ」
「任せておいてね」
「では頼むとしましょうか」
「準備はしておくわね」
そうして二人が鎖の前に移動する。
その鎖を同時に限界まで引っ張る。
すると扉が見事に開く。
アレイシャの合図と共に全員で一斉に走り扉を駆け抜ける。
「なんとか抜けられたわね」
「シンプルな仕掛けですが、意外と抜けるのに苦労する仕掛けですね」
「さっさと次に行くわよ」
「やれやれ、せっかちですね」
そのままさらに奥へと進む。
次に待っていた仕掛けは深い水の底にある扉を開ける言葉を読む事のようだ。
「ここは私ですね、では行ってきます」
「結構水深があるわね、ここ」
「これを潜れっていうのも修練らしいわね」
「人魚のフィセアがいて助かりましたね、今回ばかりは」
そのまましばらくしてフィセアが浮上してくる。
水の底に書かれた扉を開ける言葉を伝える。
扉の脇にあった石のブロックでその言葉を作る。
すると扉が開いたので、さらに奥へと進む。
次に待っていたのはパズルのような仕掛け。
どうやら正しい絵柄を完成させろという事か。
「まーた面倒な」
「ここは私がやりましょう、こういうのは得意ですから」
「なら任せていいわね」
「シファってパズルとか好きよね」
そのパズルをシファが丁寧に解いていく。
ちなみにシファは新聞のクロスワードパズルなどを時間の空いているときにやっている。
そういう事もあってか、趣味はもっぱらパズルなのである。
そんなパズルをシファは難なく解いてしまった。
「これでいいですね、扉が開きますよ」
「流石はパズルが好きなだけはあるわね」
「とにかく先に進むわよ」
「人の趣味って分からないものですよね」
次に進むとまたしても仕掛けがあった。
どうやらここは結構奥まであるようだ。
横ではなく縦に広い遺跡とでも言うべきか。
次の仕掛けは天井にある扉のスイッチを押せという事らしい。
「あの高さまでは跳躍しても届きそうにないわね」
「一応周囲には足場になりそうな木箱が置いてありますね」
「これを組み合わせて足場にしろという事のようですね」
「なら私に任せて、こういうのは軍人の仕事よ」
エイルが箱を選定して段差状に積み上げていく。
そしてスイッチに届くギリギリに積み上げ、剣を抜く。
そのスイッチに向かい剣を掲げて跳躍する。
剣の先にスイッチが押し込まれ扉が開く。
そういう考えに感心しつつも、次の部屋に進む。
どうやらこの遺跡は複数の小部屋から構成されているようだ。
次の仕掛けは石像の炎を遮れというもののようだ。
周囲にある石のブロックを使うようなので。
「ここは私がやりましょう」
「私も手伝うわね」
「頼むわよ、主従コンビ」
「石像が常に火を吹いてるってどういう仕組みなのかしら」
その石像の炎を全てシャットアウトする。
そして次の部屋へと進む。
「まだ先があるのね」
「もう少しだとは思います、行きましょう」
「修練と言うよりパズルね、こいつは」
「肉体を使うのと知恵も使うのと、ですか」
遺跡をさらに奥へと進む。
祠には確実に近づいているため、焦らずに前へと進む。
紫龍の祠は試練の場も兼ねているのが特徴的だと思っていた。