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しばしの休息

アナスティアの病気が回復して数日。

アレイシャ達は病気の様子を見るために数日の滞在をしていた。

久しぶりに休息が取れた事もあり、すっかりリフレッシュした模様。

そして出発に向けた準備も進めていた。


「アナスティア、もう平気かしら」

「ええ、おかげさまでね」

「ならよかったです、私はアナスティアがいないと落ち着かないですから」

「この二人って本当に姉妹みたいな関係よね、昔からなの?」


セクネスとアナスティアの関係。

それは昔アレイシャに拾われるまでの話でもある。


「この二人は何度か話してるとは思うけど、元孤児なのよね」

「ええ、アレイシャに拾われて教会で育ったのよね」

「それで私は騎士に、アナスティアはシスターになったんですよね」

「でもそういうのが生まれる程度には国にも何かあったのかしら」


エイルも軍人としていろんな国は見ている。

そんな国が全てに手が回らない事も理解している。


全ての孤児を国で養える余裕のある国自体この世界にはないのだ。

とはいえ教会など、孤児の受け入れ先自体はある。


それでも全てを受け入れたらキャパシティオーバーになるのは当然。

セクネスとアナスティアもそんなアレイシャには感謝しているのだろう。


「昔は生きるために精一杯だったのよね、本当に」

「ですね、子供ですから働き先も限られてましたし」

「でも悪い事に手を染めなかったのは偉いと思うわよ」

「パン屋とかで働いてて、余り物とかもらってたのよね」


元々二人は顔立ちはいい。

それもあってなのか客寄せにはなっていたのだろう。


それで店の売上も伸びたらしく、それで期限切れ間近のパンなどをもらっていた。

あとは少なくはあるがお給金ももらっていた。


それでパスタなども買って少しずつ食べていたらしい。

その時の関係で貧乏飯のレシピだけは増えたという。


例えばスパゲッティの具なんてものは贅沢だった。

なのでシンプルなオイルのみのスパゲッティなどもよく食べていたらしい。


「今思えばあの時のご飯はシンプルなものだったわよね」

「ええ、少ないお金でオイルと唐辛子を買ってペペロンチーノとかしてました」

「まさに貧乏飯ね、でもそういう事をしてただけ偉いと思うわよ」

「でも料理なんてどこでしてたの?家があるわけでもないんでしょ?」


それに関してはパン屋の家の方のキッチンを借りていたらしい。

住み込みもするかと言われたが、キッチンを借りられるだけでいいと言っていたとか。


「ふーん、なんか少し面倒ね」

「元々住んでいたのも使われてない家でしたからね」

「それで食事の時だけキッチンを借りにいってたのよ」

「それで二人がある程度大きくなったぐらいの時に私が引き取ったのよね」


アレイシャと二人はそこまで歳の差はない。

引き取ったのもそんな二人と年齢が近い時。


それから二人を教会に預け定期的に様子を見にいっていたらしい。

それにより二人はアレイシャには感謝しているそうな。


「なんにしてもいろいろありましたね」

「そうね、今があの頃からは信じられないわよ」

「それが人生の転機なのかしらね」

「出会いも運命だった、そう思いたいものよね」


そう話しているうちにすっかり日が落ち始めていた。

少ししてから食事の用意が出来たと呼ばれた。


そのまま食事を取りその日はゆっくり休む事に。

そして翌朝次の目的地へ向け出発となる。


「さて、それじゃ行きましょうか」

「そうですね、思わぬ足止めでしたが」

「仕方ないですよ」

「それじゃ挨拶済ませて飛行船に戻るわよ」


部族に感謝の言葉と挨拶を済ませる。

そのまま見送られアレイシャ達は飛行船に向かう。


飛行船に乗り込み、改めて次の目的地を確認する。

ここから近い場所とは。


「ここから近いのは北東にある紫龍ね、頼める」

「紫の龍ね、場所は教えてね」

「同じ発音だから紛らわしいわね」

「それはそれですよ、では決まりですね」


そうして次の目的地は紫龍の地に決まる。

紫の龍である紫龍とはどんな龍なのか。


紫龍の地はどこの国になるのか、それはお楽しみである。

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