病気の正体
死龍の祠の調査は無事に終えたアレイシャ達。
そんな中アナスティアが突然倒れてしまった。
その場にいた部族の若者の話では病気をもらったのだろうとの事。
集落に戻りアナスティアの看病をする事に。
「どうですか?」
「これはこの地域特有の病気ですね、薬があれば治るはずですよ」
「よかった…でも薬はあるんですか?」
「それがないと始まらないものね」
医者の話ではその病気の薬は今は切らしているという。
幸い近くには岩場があるので、そこで薬草を採ってくれば作れるとの事だが。
「なら私が採りに行きます、どんな薬草なのか教えてください」
「それなら私も行くわ、セクネス一人では危険だもの」
「分かりました、その薬草は紫の花びらが四つある花です、五つぐらいあれば」
「看病は私達がしておきますよ、あそこの魔物程度なら心配もないかと」
そんなわけでアレイシャとセクネスは岩場に行き薬草を採る事に。
そのまま二人は岩場に向かう。
「私もお供しますよ、人は一人でも多い方がいいですよね」
「シファさん…なら頼みます」
「よろしく頼むわね」
「では参りますか」
そうしてシファも一緒に薬草を採りに行く事に。
その足で岩場へと向かう。
岩場に入ると言われていた薬草を確認する。
そしてその薬草を探して回る事に。
「この辺りにはないわね」
「そんな珍しくはないとは思うのですが」
「とにかく探すしかありませんね」
「もう少し奥に入ってみましょう」
さらに奥へと足を踏み入れるアレイシャ達。
ここの魔物はそこまで強くはないとはいえ油断は出来ない。
ここの魔物は毒などを持つ魔物が多いからでもある。
消耗を避けつつ薬草を探す事に。
「あっ、これよね」
「そのようですね、ここだけでは数は足りませんが」
「もう少し探しましょう、ここに生えているなら周囲にもあるはずです」
「そうね、ここにあるならあるはず、急ぐわよ」
更にその近辺を調べて回る。
すると少しではあるが生えているのを確認する。
そのまま調べて回り目的の薬草を必要な数だけ確保する。
そして帰ろうとしたそのときに。
「待ってください!」
「上よ!何か来るわ!」
「この影…まさか…」
「なにあれ…あんな魔物がいるなんて聞いてないわ!」
上にいたのは人の何倍もある大きさの怪鳥だった。
そして見つかってしまったのか、その怪鳥が狙いを定め襲いかかる。
「構えて!こいつ、強いわよ!」
「ええ!負けるわけにはいきません!」
「私の剣術、お見せいたしましょう!」
「やるわよ!」
怪鳥に向かっていく三人。
だがその怪鳥はとても強い。
それでも負けるわけにはいかないのだ。
空中から襲い来るその巨体は回避するだけでやっとの大きさだ。
それでも確実に様子を見つつ迎撃に務める。
それから苦戦しつつもその怪鳥を確実に捉える。
「セクネス!やるわよ!」
「はいっ!いきますよ!」
「この一撃で…沈め!」
「やりましたか」
アレイシャとセクネスの連携が綺麗に入る。
それにより怪鳥は大きな叫びを上げて地に墜ちた。
なんとか勝利したものの、この怪鳥の正体が気になる。
それはアレイシャもセクネスも見た事すらない相手だからだ。
とりあえず帰って伝える事にして集落に戻る事に。
未知の魔物なのか、その謎は尽きない。
「採ってきたわよ」
「これで薬を作っていただけるんですよね」
「…確かに、ではすぐに薬にしてきます、少し待っていてください」
「無事で何よりです、心配は無用でしたね」
医者が薬を作りに行ったのを見てヒルデにあの怪鳥の話をする。
ヒルデもそれは初耳のようだった。
「そんなものに遭遇したのですか、やはりあの岩場は異世界に?」
「それは分かりません、ですがはじめて見る相手でした」
「なんとか倒したけど、強かったわよ」
「それに凄く大きかったですし」
なんにしてもその話は覚えておく事に。
今は薬を待つしかない。
「アナスティア、助かってください」
「きっと平気よ、今は待たないと」
「彼女とてそんな簡単にくたばるとも思えませんから」
「今は信じるだけですよ」
そうして今日はここで夜を明かす事に。
その後薬で病気は治ったものの、数日は休むように言われた。
数日はここに滞在する事になりそうだ。