長の正体
聖龍の信仰について調べるアレイシャ達。
その聖龍の信仰があるスノウランドの集落で長を探し回る。
そして最終的に元の場所に戻ってきてしまった。
それによってヒルデがやられたのだと気づいたようだ。
「あなたが長ですね?なぜあんな真似を?」
「なぜか?少し面白そうだったからだよ、それだけさ」
「殴っていい?」
「我慢しなさい、それよりも…」
本題を切り出す事に。
それについては家の中で話そうかという事で、中へ案内される。
「それで聖龍の事について知りたいんだけど」
「この国に信仰があるのは調べてあります」
「聖龍か、確かに信仰はあるよ、この集落はその信仰が根強く残っている」
「ではやはりこの近くに祠があるのですか?」
それについては少し問題があると長は言う。
実は最近強い雨による土砂崩れで北の祠への道が塞がれているという。
爆薬でもあればそれを除去出来るとの事。
それについてもアレイシャ達は訊いてみる。
「爆薬は都市部に行けば買えるね、それかここで作ってしまうかだ」
「作るって、そういう職人でもいるのかしら」
「いるのでしょうね、戻るより作る方が早そうですが」
「どうやったら作れるのよ」
長が言うにはこの集落の近くに火薬になる鉱石が採れる場所があるらしい。
そこで鉱石を採ってくれば集落の人に作ってもらえるそうだ。
「ならその鉱石を採ってくるから、作ってもらえるかしら」
「いいですよ、話は通しておきます、場所は西にある林になりますね」
「分かりました、ではさっさと終わらせてきます」
「約束は守りなさいよ」
そんなわけでその火薬になる鉱石を採りに行く事に。
そのまま集落の西にある林へと向かう。
少し歩くとその林が見えてくる。
ヒルデ曰くこういうものの知識はあるので任せるようにと。
「ああ、これですね、間違いありません」
「この赤い鉱石ね、爆薬にするにはどれぐらい必要なのかしら」
「爆薬の大きさにもよるけど、小さいものなら三つぐらい、大きいものなら七つぐらいね」
「なら一応そのサイズも考えて10個ぐらい持っていきますか」
一応という事もあり10個程度集める事にした。
森を少し歩き回り鉱石は簡単に10個ほど集まった。
そのまま集落に戻り鉱石を見せてみる。
長は数は充分との事で、集落の北東にある家に行けば作ってくれるとの事。
そのまま北東の家に向かい家を訪ねる。
扉をノックすると中から眠そうな男性が姿を見せる。
「あんた達が長の言ってた人達か、爆薬が欲しいんだろ、中に入ってくれ」
「ええ、お邪魔します」
「失礼します」
「中から煙臭い臭いがするわね」
そのまま家の中へ案内される。
簡単なお茶を出された上で交渉に入る。
「祠への道の土砂を除去する爆薬だよな、なら鉱石は六つぐらいで足りるぞ」
「ええ、それじゃこれでお願い」
「あとお金も必要ですよね、そちらはいかほど?」
「一応商売だと思うから、対価は払うわよ」
男性の話では代金は2000程度らしい。
それなら安いものだという事で、代金もきちんと支払う。
あとは少し待っているように言われ男性は奥の部屋に鉱石を持っていく。
それからしばらくして部屋から戻ってくる。
「ほら、出来たぞ」
「確かに、これなら土砂程度は一撃ですね」
「ありがとう、助かったわ」
「これで祠に行けるわね」
だが男性の話ではもう一つ問題があるという。
なんでも祠への道に奇妙な魔物らしきものが出るらしい。
そいつは食べ物を要求するらしく、適当に与えたら去っていくらしい。
一応そいつに気をつけるようにとだけ言われた。
「食べ物を要求する魔物らしき相手ですか」
「ああ、一応適当に何か食べ物は持っておいた方がいいぞ」
「分かりました、では出発前に適当に何か買います」
「それじゃ私達は行くわね、爆薬ありがとう」
そうして家を出て適当に食べ物を買う。
そのあとは祠に向けて出発である。
「では出発しますよ」
「食べ物も用意したしね」
「気になるし一応ね」
「では行くとしましょうか」
そうして北の祠へと向かう。
北にあるのは丘であり、その草原。
祠への道に出る食べ物を要求する魔物らしき相手とは。