美味しいもの三昧
龍の神についての調査は一旦休みフルンセで休息を取るアレイシャ達。
そんなフルンセは美食の国としても有名な国だ。
この国では庶民的な料理ですらそのレベルはとても高い。
美食の国での美味しいもの巡りをする事に。
「んー、このチョコ凄く美味しいわね」
「チーズも絶品ですね、流石は美食の国です」
「この国ってあらゆる料理のレベルが高いわよね」
「そりゃ美食の国なんて言われるぐらいだもの」
エイルは元軍人という事もあり、他国の事情にはそれなりに詳しい。
国の情報源としても役に立っている。
「それにしても美食の国なのに高級なレストランとかには入らないのですか?」
「私にそんなマナーとか出来ると思ってんの?」
「あたしもマナーとか苦手なのよ、それに高級料理って値段の割に少ないし」
「この二人は高級料理より安い料理で満足していますね」
そんな中フィセアが珍しいのか街の人によく視線を向けられる。
陸で普通に活動する人魚というだけで注目の的だ。
そんなフィセアは気にする様子もなく美味しそうに甘いものを食べている。
本人が特に気にしていないのならどうという事はないのだろう。
「でもこの国は露店とかは意外と少ないのね、景観の問題かしら」
「元々この国は芸術的な文化が根強い国なのよ、その関係だと思うわよ」
「ですが近年は移民問題により芸術の街もゴミに溢れ汚れきっていますよ」
「どこの国でも移民問題は常に付きまとうものなのですね」
ヒルデの言う移民問題。
それはあらゆる国が抱える問題でもある。
悪質な移民が国を悪くしていくのは世の常だ。
そして嫌なら帰れ、いたいなら国のルールに従え、これが本音であり本質だ。
嫌いな国に移民して寄生して権利だけは主張して恩恵に与る。
それこそが移民問題における最大の闇なのだとヒルデは言う。
「移民というのは中には武装した難民なども混ざる事がありますからね」
「難民だからって簡単に受け入れる国は荒らしてくださいって言ってるのと同じよね」
「でも難民を簡単に送り返したら世界的に非難轟々よね」
「結局は郷に入れば郷に従え、これが出来ない奴は難民としても移民としても認めないですよ」
セクネスの言う事こそが正論なのだろう。
その国に住むのなら国のルールに従うのは当然の話だ。
世界的に移民や難民が嫌われる背景がまさにそこにある。
セクネスも厳しい事を言うようだが、結局はルールに従えとしか言っていないのだ。
「フルンセも美食や芸術の国として美しさがあった面影はあるんですけどね」
「それも移民によってめちゃくちゃ、現実って悲しいものよね」
「でもこんな美味しい食べ物が残ってるんだからまだ平気ですよ」
「そうよね、完全に文化を破壊されない限りは国は死なないわよ」
確かに甘いものは美味しいし料理も美味しい。
そういったものが残っているうちはまだ安心だろう。
だがフルンセの景観がそんな移民問題の背景を物語る。
以前行ったミクダニアのような多民族国家とはなかなか簡単にはいかないものだ。
「にしてもこの国って甘いものも庶民的な料理もなんでも美味しいわね」
「露店とかは少ないけど持ち帰りが出来るお店は多いから、それの違いよね」
「ですね、ドーナツとかも持ち帰りで頼む人は結構いるみたいです」
「やっぱり美味しいものっていいわよね」
シファも美味しそうにドーナツを頬張っている。
この国の食べ物は基本的になんでも美味しいので迷うものだ。
「それにしてもアナスティア、あんた豪快にケーキを食べるわね」
「手で持って直接かじりつく辺りアナスティアらしいとは思いますけどね」
「昔からそういうところがあるのは知ってるもの」
「三人は幼馴染ですからね、ツーカーの仲というわけですね」
そんな美食の国を堪能する事で息抜きは出来ている様子。
久しぶりの休息はいい息抜きになったようで。
「さて、次は何食べようかしら」
「明日には出発ですから程々に頼みますよ」
「ヒルデもね」
「やはり美味しい食べ物はいいものですね」
そうしてその日一日街を食べ歩いた。
明日には次の聖龍の地へと向かう。
美味しい食べ物という最高の息抜きは至福の時間となった。