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山の上の街

ヒルデの足跡を辿り高山の街へとやってきたアレイシャ達。

この街でヒルデに関する情報は得られるだろうか。

とりあえずは情報の得られそうな場所へ向かう。

だがここでも厄介事に巻き込まれるのである。


「ヒルデさん?うーん、二年前にそんな人が来たような…」

「やっぱり来てたのね」

「とはいえ二年前ですよ」

「どこに行ったとか分かるかしら」


その問いに酒場のマスターは覚えている限りを辿る。

そして何かを思い出したようだ。


「思い出した、ここから下りて中部市場に行ったよ」

「中部市場?」

「この国の中部にある流通拠点ね、主に中央に流れる物資の審査をする街よ」

「そこに行って何をしたんでしょう」


とりあえずマスターに感謝の言葉を述べる。

そして店を出て次の目的地について確認していると。


「あの、こっちに女の子が来ませんでしたか?」

「女の子?いえ、見てないけど何かあったの?」


どうやら子供が行方不明らしい。

話では友達と勇気を試すと言っていたらしい。


「それでまさか坑道に入ったんじゃないかって」

「坑道ね、それって街の西にある採掘現場よね」

「それは危険なのでは…よければ我々が探しにいきますが」


女性はそれは悪いと言うが、セクネスも騎士として人助けは務めだと言う。

アレイシャやエロイーズも少々呆れつつもその子供を探しにいく事で同意する。


「ありがとうございます、私はここで待っていますから」

「はい、では行って参ります」


そうして街の西にある坑道へ向かう。

そこは子供だけで行くには危険な場所だ。


「ここがその坑道ね」

「ええ、魔物とかは出ないけど子供だけじゃ危険な場所よ」

「どこまで行ったかは分かりません、とにかく行きましょう」

「セクネスのお人好しは重症よね」


そうして坑道を進んでいく。

途中にいる作業員に子供の事を訊いてみると、奥に行ったという。


なんでもここではたまに貴重な鉱石が出るそうだ。

普通に掘れるものもそれなりのレアリティではある。

だがそれ以上に貴重な鉱石もたまに掘れるそうだ。


「多分だけどその子供ってその貴重な鉱石を?」

「でしょうね、勇気を試すならちょうどいいだろうし」

「魔物が出ないとはいえ子供だけでは危険ですよ」

「足元もそんなよくないし、転んで怪我でもしてるかも」


その心配もあって奥へと進む。

不安定な足元を慎重に進み子供を探す。


すると奥から声がした。


「しっかりして、男の子でしょ」

「平気だよ、つつっ」

「はーい、そこのボーイミーツガール、怪我でもした?」

「エロイーズ、なんでそんな軽い…」


とりあえず子供の足を診る。

どうやら軽い捻挫のようだ。


セクネスがその子をおぶり女の子にはきちんと説明する。

話したら分かってくれたのか、そのまま坑道を出る事に。


「あぁ、無事だったのね、心配したのよ」

「ご免なさい…」

「とりあえず一件落着ね」

「その男の子は足を軽く捻挫しているので治療してあげてください」


女性はそれを受け診療所に連れていく事に。

そして去り際に女の子がアレイシャ達に何かをくれるそうだ。


「お姉ちゃん、これ、お礼に」

「ありがとう、でもこれからは無茶をしてはいけませんよ」


そうして女の子も去っていった。


「それで何をもらったの?」

「それってスタールビーじゃない、希少な宝石の原石よ」

「そんなもの手に入れてたのね、勇気は証明してたみたい」

「宝石だと研磨してもらって装飾品にするか換金するかですね」


使い道を考える。

次に行く予定の中部市場は加工場もあるとエロイーズは言う。

ならばそこで装飾品にしてもらおうという事で一致する。


スタールビーからは魔法に関する装飾品が作れるらしい。

アナスティアの戦力アップにもなりそうだ。


山を下りる前に酒場でソフトドリンクを飲んで喉を潤す。

そのあとはエアポートから下山し、中部市場へと向かう。


追いつけるとは思っていないものの、その足跡を辿るのである。

二年前の情報である以上追いつけるのはまだ先になるだろう。


それでもアレイシャはヒルデからその話を聞くべくその背中を追いかけるのだ。

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