雷の響く国
キラビスで思わぬ仲間を二人増やしたアレイシャ達。
そんな中次の龍の信仰のある地へとやってきていた。
その国はフルンセ、雷龍の信仰がある美食の国だ。
この国は雷龍の信仰があるからなのか、よく雷が鳴るという。
「ここがフルンセなのね」
「ええ、雷龍の信仰があって晴れてても雷が聞こえるらしいわ」
「外の世界も何かと勉強ですね、とりあえず話を聞いて回りますか」
「ええ、どこか情報を聞ける場所に行きますか」
そうして情報の聞ける場所を探す。
昼間とはいえ酒場は情報屋の側面がある、そこに行ってみる事にした。
「臭いがきついですね」
「フィセアはお酒の臭いに弱いのかしら」
「とりあえず情報を聞きますか、何か頼みたければ構いませんよ」
「少し小腹も空いたしそうするわ」
ヒルデとアレイシャが情報を聞きに行く。
その間は他は適当に何かつまむ事に。
昼間なので酒は出せない事がこの国の法律で決まっている。
酒場であろうとも昼間に酒類を提供したら罰金が課せられるそうだ。
なので酒場ではあるが昼間はソフトドリンクと軽食を楽しむ場になっている。
ちなみに軽食とはいえ美食の国は伊達ではないのか、比較的安く美味しいものが出る。
「とりあえずポテト焼きとソーセージグリル、あと白ぶどうのジュースをお願い」
「かしこまりました」
「この国の料理はピンキリなのよね、高いのは本当に高くて安いのは本当に安いの」
「美食の国と呼ばれるからこそなんですね」
フルンセの料理は上はそれこそ凄く高く下は平民でも手軽な値段になっている。
それは国の民が美味しい食事を食べられるようにという事らしい。
そのため高級料理から庶民的な料理まで幅広くそしてピンキリなんだとか。
世界三大料理の一つにも数えられるという事からも納得の話ではある。
「お待たせしました」
「ありがとうね」
「それじゃいただきましょ」
「何かあればお呼びください、それでは」
そうしてエロイーズ達はその軽食にありつく。
フィセアも意外と美味しそうに食べている、酒の臭いには弱いが食は問題なさそうだ。
「お待たせしました」
「あら、もう聞けたのね」
「それで雷龍の事は何か聞けたかしら」
「この国の北部にある草原地帯の小さな街に信仰があるっていう事みたい」
北部の草原地帯、この国は都市部から離れると自然も結構残っている。
その草原地帯にある小さな街に雷龍の信仰があるらしい。
そしてその草原地帯は都市部以上に雷の音がよく聞こえるとか。
それは雷龍の信仰があるからこその怪奇な現象なのだろう。
昼間でも月が見える事がある、それと同様に晴れていても雨が降る。
だがその雷は天候に関係なく不定期で鳴り響くという。
ちなみにこの国はその関係で落雷が頻繁に起こる。
そのためその地域で一番高い建物には避雷針の設置が義務化されているらしい。
「とりあえず北部の草原地帯ね」
「ええ、それを食べたら出発しますよ」
「それにしてもこのぶどうジュース美味しいわね」
「フルンセはワインの産地としても有名だもの、ぶどうはワインだけではないのよね」
ワインの原料がぶどうなのは言わずとも有名な話である。
だがこの国ではそれと同時にぶどうジュースも名産品なのだ。
それはワインの産地だからこその名産なのだろう。
甘く適度に酸味のあるそのぶどうジュースは外国にも輸出しているブランド品だ。
一般的なものよりは高いが、それでも世界で人気のフルンセブランドである。
ワイン造りの過程で生まれたそのジュースは今や世界で人気だ。
それからしばらくして頼んだものを綺麗に平らげる。
そのまま会計を済ませ店を出る。
酒場の軽食とはいえその味に満足出来るのは美食の国と言われからこそだろう。
そのまま飛行船に戻り次の目的地へと向かう。
「それじゃ目的地は北部の草原地帯ね」
「ええ、頼むわね」
「ただ雷が不定期で鳴るので落雷にだけは気をつけてくださいね」
「では、いざ北部の草原地帯へ」
そうして北部の草原地帯へと飛び立つ。
美食の国の料理は軽食から家庭料理まで美味しいものが揃う。
目的を達したら少しグルメ巡りをしようかとあとで提案するか考えていた。