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久々の息抜き

水龍の祠の調査を終えたアレイシャ達。

その帰路で新たな仲間のシファを仲間に加える。

陸に上がったらそのあとは宿を確保してしばしの休息である。

久々の休息が海の綺麗な国なのはお約束なのか。


「それでは各自好きにして構いません、遠くには行かないように」

「ヒルデってなんていうか」

「母親みたいになってますよね」

「お母さんよね、本当に」


そうして各自水着に着替え自由にする事に。

この国の海はとても綺麗な分汚れにも敏感だと先日の人魚は言っていた。


「にしても、あんた私の事は追求しないのね」

「エメラダ教の事?別に追求する理由もないでしょ」

「エロイーズさんはエメラダ教の人なのですか?」

「そうらしいです、事情はあるみたいですが」


天使様から聞かされたエメラダ教の事。

それを知ってもアレイシャは特に追求する様子もない。


ゼスフィも一応それに従っているもののエメラダ教の闇については気にしていた。

とはいえすぐに何かが出来るわけでもないので、仕方ないが。


「エロイーズも私もそういう事を理解した上で一緒に行動してるんでしょ?」

「まあそうなんだけど、アレイシャってそういうとこは卑怯だわ」

「この二人の間には何か見えない何かがあるんでしょうか」

「かもしれませんね、私は新参者なのでそこは勉強です」


シファもそういうところはきちんと学ぶらしい。

意外と勤勉な性格なのか、覚えはいいようである。


ゼスフィもそんな二人の関係に今は安心なのだろう。

やはり見えない何かはあるのだと感じ取る。


「にしても、シファってそこそこスタイルいいわね」

「そうですか?」

「創った人の趣味かしら」

「お二人はそういう話題が好きですよね」


アレイシャもエロイーズもそういう話題は大好物である。

変なところで気が合うのも困りものというか。


一方のセクネス達は海の水に関心を持っていた。

汚れに敏感な水というのも不思議なものだと。


「この海の水は特別な水なのですかね」

「以前人魚が言っていた事ですか?」

「でも薬の材料になるぐらいだから、綺麗な水なのは確かよね」

「そんな水に入って平気なのかしら」


確かにそれは疑問ではある。

とはいえ体は綺麗にしているので、たぶん平気だとは思う。


あの人魚がまた現れるとも思えない。

なので今は楽しんでおく事とする。


「でも本当に綺麗よね、海底が透き通るように見えるわ」

「まさにマリンブルーですよね、海と繋がりも大きい国だからこそです」

「この国も遠くない未来に海に沈む、それは避けられないのが悲しいものです」

「こんな美しい国が消えるなんてね、世の中は悲しいものよ」


キラビスはそう遠くない未来に海に沈み消えてしまう。

民の受け入れは近隣の国がそれを表明してくれている。


だが自分の生まれた国が海に沈むのは複雑だろう。

それでも国民はそれを受け入れなければならないのが悲しさでもある。


「世界は広いと実感しますね、私達が学んだ事なんてほんの一部でしかないです」

「教会でもきちんと教えはするけど、全部は教えないものね」

「教育には限界があります、学生にしても教会にしても残りは独学しかないのですよ」

「学校で全部教えてたら義務教育期間が二年ぐらい長くなるわよね」


エイルの言う事も尤もである。

だからこそ自力で学ぶという事の大切さが分かる。


学ぶという事にゴールはないのだ。

自分が欲する限り知識はどんどん蓄積される、それが学ぶという事なのだ。


知る事の楽しさと嬉しさ。

それは人が様々な事を学びそれを活用する生き物だからこそであろう。


「この国の景色を忘れてはいけませんよ、いいですね」

「ええ、キラビスはいつか海に沈む、それを忘れちゃ駄目よね」

「この国の民に幸あらん事を、そう願わずにはいられませんね」

「世界は流れるように変化していく、それは自然でも人工的でもね」


そうしてバカンスは楽しめているようでもある。

明日も休息は続くのでゆっくりとする事にしておく。


キラビスの美しい海の景色、それはそう遠くない未来に島が消える事を予感させる。

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