水龍の島
地龍の調査を終えたアレイシャ達は次の龍の地を目指していた。
次の地はアマイグから遥か南にある島国のキラビス。
今回の飛行距離は長くなるため経由地を挟み補給をして飛んでいる。
アマイグを飛び立ち20時間ほど飛んだ頃その国が見えてきた。
「見えたわ、あそこが水龍の島のキラビスよ」
「今回は今までに比べたらずっと小さい国なのね」
「とりあえず下ろせそうな場所に下ろしてくれる」
「それにしても上からでも分かるけど、海が凄く綺麗ね」
そうして街の近くに飛行船を着陸させる。
飛行船の扉にロックをかけ近くの街で情報を集める事に。
「そういえば空から見えたけど、この国ってたくさんの島からなるのね」
「そうですよ、主に三つの諸島と一つの孤島をひっくるめてキラビスという国です」
「そして今いる場所が一つの島でこの諸島は9つの諸島で構成されてるわね」
「まさに島国ね、それも点在する島を全部まとめてなんて」
とりあえずは情報を集める事にした。
街に入り適当な人に話を聞いてみる。
「あの、少しいいかしら、水龍の信仰について調べているんだけど何か存じない?」
「水龍の信仰なんて変わったものを調べてるね」
「この国が古くから水龍の信仰を持っているのは存じているのですが」
「どこかそれに詳しい島とか知りませんか?」
店の人はそれなら北東にあるここから数えて6つ目の島に行ってみるといいという。
信仰自体は多くの島に今でも残っているが、一番詳しいのはそこだそうな。
水龍の祠と御神体がその島にあるそうで、信仰の根強さならその島が一番という。
その島の住人に話を聞けば場所ぐらいは教えてもらえるだろうとの事。
「分かりました、ではその島に行ってみるとします」
「気をつけてくださいね、この国は水位が上がっているのでサメなども出ますから」
「分かりました、助言感謝します」
「ありがとう、それじゃ失礼するわね」
そうして飛行船に戻りここから北東の方角に飛ぶ。
地図で島を確認しそこへ向けて移動する。
島をまとめて一つの国という事もあり移動時間はそんなにかからない。
しばらく飛んでいるとその島が見えてきたため適当な場所に着陸する。
「そういえばこの国は水位が上がっているって言ってたのはどういう意味なの?」
「この国は近年の海水温の上昇で水位が上がっているんですよ」
「それですぐではないけどそう遠くない未来にこの国は完全に海に沈むとも言われてるの」
「そんな…国が水没して消滅するなんて…」
セクネスのショックも分からなくもない。
だが近くの国の国王がその際に全ての民を受け入れると約束してくれているらしい。
「なのでこの国はそう遠くない未来に地図から消えます、悲しいですけどね」
「元々海抜の低いところにあったからこその悲劇なのよね」
「なら少しでも見ておかないとね、調査が終わったら観光も兼ねて休みましょ」
「あら、いいわね」
そんなわけで今回の調査のあとは観光も兼ねて休む事に。
そうしていると街が見えてくる、街に入って適当な人に話を聞いてみる。
「あの、水龍の信仰について調べているんだけど何か存じないかしら」
「へぇ、水龍の信仰を、それならここから北にある海の中に祠があるよ」
「は?海の中?」
「困りましたね、泳げるのはいいとしてもそんな長時間の潜水は不可能ですよ」
困っていると男性は一つ情報をくれる。
それは街の西にある森に住む魔女に相談すればなんとかしてくれるかもしれないと。
「魔女って、まーた胡散臭い話ね」
「森の中にある小屋に住んでるらしいよ、行くだけ行ってみたらどうかな」
「はぁ、当てはそれしかなさそうですしね」
「魔女ねぇ、そんなのがいるのね」
とりあえずは行くだけ行ってみる事にした。
街を出て西の森に向けて歩いていく事に。
「でも水に潜るのよね?」
「水の中でも息が出来るようになる、とか?」
「分からないから行くんですよ」
「それしか頼れそうにないもの」
そんなわけで西の森へと足を踏み入れる。
魔女は本当にいるのか。
そして海に潜る手段は確保出来るのだろうか。