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白フードの思惑

緑龍の事を調べその本人に出会ったアレイシャ達。

そんな中またしてもあの気配を感じ取る。

緑龍もそいつの事は気になっていた様子。

白フードは何をしようとしているのか。


「お主が噂に聞く白フードじゃな」

「…お前達も相変わらずのようだな」

「あんた敵対する様子もない割には卑怯な事してるわよね」

「全くです、人間に本来の信仰を思い出させようという目的は理解しますが」


白フードも別に敵対するつもりはないようだ。

とはいえ過去の国でやっていた事の目的も気になる。


「あんた、以前他の国でやってた事についてどう説明するの?」

「あれか?あれは目的のために手段を行使出来るか試したにすぎない」

「お主、やはり只者ではないな?そのフードを力ずくで剥ぎ取ってもよいのじゃぞ」

「少なくとも並の相手ではないわよね、あなたもしかしてエメラダ教を?」


白フードのやろうとしている事は人間に本来の信仰を思い出させる事。

それは利益などを求めない純粋なる神への信奉である。


今の人間は信仰を欲に利用している醜悪なもの。

白フードはそれを正してやろうとしているのだろう。


「とりあえず私の今の目的はエメラダ教を消し去る事、それだけだ」

「確かに褒められた事はしてないけどね」

「じゃが妾達神は人間に直接的な干渉は出来ぬのじゃぞ」

「まさかあなたは神でも天使でもない何かだと言うのですか」


白フードの顔は深く被ったフードで窺い知る事は出来ない。

だが声から察するに恐らくは女性、そして憎しみを抱いているという事。


宗教を憎んでいるという事と人間を憎悪しているという事。

信仰を履き違えた人間を許さないという感情も感じ取れる。


「とりあえず…そのフードを剥いでやるわ!」

「遅いな、そんなおもちゃで私に当てられると思ったか?」

「エロイーズの早撃ちを簡単に…」

「銃は人間の作った道具でもかなり高度なもの…お主やはり只者ではないな」


白フードは少し身を逸らすだけでエロイーズの早撃ちを躱してみせる。

その動きや反応からこいつはやはり只者ではないと誰もが感じ取る。


「緑龍、貴様達龍の神は他の神達に復讐でもするのか?勝てる見込みはあるのか?」

「見込みなど最初からないわ、だが妾達にも誇りがあるのでな」

「そういうところは神様なのね」

「とはいえあなたとは目的も思想も違う、あなたは人間を狂わせる気ですか?」


宗教とは心の拠り所的な意味もあるものだ。

それを人間から奪うというのは依存するものを奪うという事。


人は何かに依存するから生きられる。

それを奪う事の意味はヒルデもエロイーズもアレイシャも分かっていた。


「本来の信仰を取り戻せばいい、誰もが神を信じ安らげる世界にな」

「残念じゃがそいつは絵空事じゃな、人は争いをせずには繁栄出来ぬ生き物じゃ」

「緑龍…あんた分かってんのね」

「でもあなたはなぜそこまで宗教を憎むのですか?神を信じないからですか?」


白フードは神を崇める宗教自体を否定はしない。

だがそれによって利益を得ようとする人間を許せないのだ。


だからこそ今の人間たちの宗教を破壊する。

そして本来あるべき信仰の姿に戻そうというのだ。


「まあいい、別に敵対はしない、だが相容れないという事は忘れるな」

「待て!訊きたい事はまだ…」

「行ってしまったわね」

「結局あいつは人間嫌い、それだけよね」


そうして白フードは姿を消した。

緑龍も他の龍の神達にこの事は伝えると言い立ち去っていった。


アレイシャ達は民族の代表者を呼びそのまま民族の下へと帰還する。

そこでお礼を言い次の龍の神の事を調べにいく事となる。


「次の龍の神は少し遠いわね、でも北のロサニアに白龍の信仰があるわ」

「ロサニア、今の季節は寒いですよ?飛行船も寒さに耐えられますかね」

「それは問題よね、少なくともよほど寒くなければ平気だと思うんだけど」

「ならどこか適当な国で寒さ対策の装備を整えて入国しましょ、決まりね」


そうして次の目的地は極寒の国にして独裁国ロサニアに決まる。

白龍の信仰を求めロサニアへ、寒さとの戦いが始まる。


だがその前に適当な国に立ち寄り寒さ対策をするのである。

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