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猛毒の龍

緑龍を祀る廃城へと向かうアレイシャ達。

早朝に民族の代表者と共に部落を出発しその沼地へ向かう。

沼地が近づくにつれ腐臭と毒気が漂い始める。

そこで代表の者から毒を中和する薬を渡される。


「どうぞ、これを飲めば一日は毒を無効化出来ます」

「ええ、ありがとう」

「…これで今日一日は安心ですね」

「それじゃ行きましょうか」


そうして廃城の中へと足を踏み入れる。

中は荒れ果てていて人が住める場所ではない。


「本当にボロボロね」

「ここの奥に緑龍様を祀る祭壇があります、少し回り道ですが」

「それは仕方ないわよ」

「とにかく先に進みましょうか」


廃城の中を進むアレイシャ達。

中はところどころに毒の水が染みていた。


廃墟となっているだけあり腐海の水も染み出ているようだ。

薬なしでここに立ち入れば毒にやられそのまま屍となってしまうだろう。


「毒は無効化してるけど臭いまではね」

「鼻がひん曲がりそうよ、臭いったらないわ」

「仕方ありませんよ、緑龍様は猛毒の龍なのですから」

「毒の龍、緑龍というからには風や木などを連想していましたね」


緑龍は猛毒の龍らしい。

その息吹であらゆるものを腐敗させ溶かしてしまうという。


体にも猛毒を有しており爪で引き裂かれれば傷口から毒が回り壊死する。

素手で触ろうものならそれだけで毒に侵されるらしい。


「にしても猛毒の龍とかおっかないわねぇ」

「この地もそんな緑龍様の力でこうなったとも言われていますね」

「それなのにその緑龍を信仰してるのね、それは風習なのかしら」

「だと思います、信仰というのは歴史もありますから」


そのまま奥へと進んでいく。

しばらく進むとそれらしい扉の前に到達する。


扉をくぐるとそこには以前も見たような祭壇があった。

代表の者がその祭壇に供物と信仰を捧げる言葉を紡ぐ。


すると背後から何者かが近づいてきた。

そこには幼い少女が立っていた。


「なんじゃ、お主達が妾達を調べているという輩か」

「…まさかこのチンチクリンが緑龍なの?」

「なんか可愛いわね、猛毒の龍っていうからもっと怖い人をイメージしてたわ」

「まさか…緑龍様…本物なのですか」


その少女は紛れもない緑龍らしい。

とはいえ幼い外見に反して龍の神の中では三番目の高齢なのだとか。


「可愛いわね、いい子いい子」

「やめんか小童が!仮にも神の頭を撫でるでないわ!」

「…ロリババアなんですね」

「し、失礼ですよ!」


とはいえその緑龍もアレイシャ達には興味があるそうな。

龍の神についても少し訊いてみる。


「妾か?龍の神では三番目に高齢じゃ、ちなみに一番は金龍、二番目は紫龍じゃ」

「ふーん、でも神様って高齢なのにこんなロリなのもいるのね」

「えっと、緑龍様、あなたは何をしに…」

「私達に興味があるのですよね」


緑龍も話は聞いているらしい。

それによりアレイシャ達に興味を持ったそうな。


「別にかしこまらなくてもよいぞ?妾は寛大なのじゃ」

「素晴らしいドヤ顔ですね」

「なんかお婆ちゃんなのに中身は子供よね」

「だから失礼ですってば」


なんにしてもそんな緑龍も天使様の動きは気になっているらしい。

黄龍や赤龍からも話は伝わっているからだ。


「別にそんな恐れんでもよい、敵意がないのなら妾も爪を立てる理由はないぞ」

「ならいいんだけど」

「本当にロリババアじゃないですか、これが猛毒の龍とか」

「あなた達は…」


そんな緑龍はとりあえずは今は敵対する理由もないと告げる。

だがもし武器を突きつけようものなら容赦なく殺しにいくと言う。


「お主、妾への信仰、忘れるでないぞ」

「は、はいっ!」

「なんか世の中の広さを知った気分だわ」

「合法ロリってこういう事なんですね」


すると緑龍が何かを感じ取る。

それは以前も感じたその感覚、アレイシャ達もそれを覚えていた。


「やれやれ、少し行くかの」

「私達も付き合うわよ」

「あなたは我々が守りますので」

「は、はい、分かりました」


そうして気配のした方へと向かう。

そこにはやはり今回もあの白フードがいるのか。


天使様とは一体何なのであろうか。

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