表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
147/230

緑龍の民族

黄龍の調査を終え次なる龍の神である緑龍を探すアレイシャ達。

場所はチェンワ国の隣りにあるアウスタリア。

そこは一部がチェンワ国に実効支配されている。

とりあえずは以前世話になった遊牧民を訪ねてみる事に。


「おや、あんた達は以前の…久しぶりだね」

「ええ、久しぶり、少し訊きたい事があって来たのだけど」

「そんなに時間は取らせないわ」

「実は緑龍の信仰について調べているんです」


男性はそれについては一応は知っているという。

それは緑龍を信仰する遊牧民の存在らしい。


「それはどこに行けば会えるかしら」

「そうだなぁ、この季節は祀ってある場所の近くだから北西に行ってみるといい」

「北西ね、分かったわ」

「その遊牧民に会えば何か分かるわよね」


男性はそれについて一つ問題点を挙げる。

それは緑龍を祀ってある場所についてだ。


なんでもその地は腐海と呼ばれる毒の沼地らしい。

そこにある廃墟となった城がかつて緑龍を祀っていた場所だという。


城の修繕は当然無理らしく国もその遊牧民も放置しているらしい。

だがその遊牧民は廃墟となった城の近くを訪れた際に一年分の信仰を捧げるという。


「毒の沼地ですか、少し厄介ですね」

「行くなら毒の中和が出来る薬なりガスマスクなりを用意してから行くんだぞ」

「分かったわ、とりあえずそれも調達してその遊牧民に会いにいってみるから」

「時間を取らせてごめんなさいね」


そうしてお礼を言って飛行船で北西へ向かう。

空から草原を見下ろしてその遊牧民を探す。


すると遠くにその腐海と廃墟の城が見え、そこから少し離れた草原にそれが確認出来る。

そこから少し離れた場所に飛行船を下ろして、その遊牧民の下へ向かう。


「あの、少しよろしいですか」

「ん?旅人か?」

「えっと、緑龍の事を少し調べているの、何か聞けないかしら」

「別に悪いようにはしません」


それに対して遊牧民の男性は少し間を置いて言葉を言う。

とりあえず長に会って話してみて欲しいと。


その長は右にある真ん中のゲルにいるという。

お礼を言いそのゲルに向かう。


「なるほど、緑龍について調べていると」

「ええ、何か教えていただけないかしら」

「別に変な真似はしないって約束するわよ」

「こちらもそれについて知りたいだけなので」


長は少し間を置いて、それなら直接その腐海に行ってみてはと言う。

毒の沼地ではあるが、別に変な真似はしないと約束してくれた。


明日はちょうど自分達の代表者が緑龍に供物を捧げに行くという。

それに同行して行けば手間も省けるだろうとの事。


幸いこの地はチェンワ国の支配は及んでいない。

なのでそれでどうかとの提案である。


「ならそうするわ、明日ね」

「今夜はここで一夜を明かすといい、明日の早朝に代表者を行かせよう」

「分かったわ、それじゃお世話になるわね」

「それと毒への対処なのですが」


長は毒に対処するための民族秘伝の薬があるという。

それはこの時期のために用意する薬らしい。


薬自体はこの場所に来る前から作り始め保存してあるという。

それを飲む事で一時的に毒への抗体を作り出せるという。


薬は一人で飲んでも全然余るため、この人数でも問題なく足りるらしい。

それを聞いてとりあえずは安心した様子だった。


長に感謝の言葉を述べ客人用のゲルの場所を聞きそこへ向かう。

今夜はここで夜を明かす、草原特有の食事やお酒もいただけるだろう。


「さて、一旦自由ですがあまり遠くには行かないでくださいね」

「草原は広いから下手したら帰れなくなるわよ」

「分かっています、流石にそれは困りますし」

「下手に遠出は出来ませんね」


そうして今日は一旦各自自由となった。

とはいえ遠出したら危険なのでこの場所に留まる事になるわけだが。


「草原のお酒というのも一度飲んでみたかったのですよね」

「本当に酒好きね」

「でもたまにはいいわよ」

「そうね、今夜ばかりは贅沢も言えないわ」


そのまま夜は更けていった。

食事は草原特有のものが多く出されそれに満足もしていたようだ。


そして朝早くに腐海へ向かう事となるのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ