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龍の縁の地へ

龍の神について調べたアレイシャ達は次の目的を定める。

それは龍の神に縁のある地へ行ってみようというもの。

この世界は大宗派の宗教が世界の宗派のほとんどを占めている。

そんな中での龍の神に縁のある地で何かを得られないかと考える。


「バルディスタはエメラダ教が主体だけど、黒龍の縁の地なのよね」

「恐らく先日のあの遺跡がそれですね、黒龍は死を司る龍です」

「だとしたら別の場所だけど、どこへ行くのよ」

「どこへでも飛ばしてあげるわよ、遠慮なく言ってね」


とりあえず近い場所、赤龍に縁のある地が比較的近くにある。

まずはそこに行ってみる事に決めた。


「赤龍に縁のある地が南の島にあるわ、そこにお願い」

「分かったわ、それじゃ出発ね」

「しかし斜め上の方向に事態は進んだものですね」

「そうね、でも戦わなくて済むのならそれに越した事はないわよ」


そうして南の島に向けて飛行船は飛ぶ。

空を飛ぶ事数時間、それらしき島が見えてきた。


空からは集落なども確認出来る。

だが直接は着陸出来なさそうなので、海岸から少し離れた場所に着陸する。


そこに飛空艇を停めておき、盗難を阻止するために扉に鍵をかける。

そのあとは徒歩でその集落らしき場所へ向かう。


「この島クッソ暑くない?」

「あれがその理由じゃないかしら」

「火山ですね、この島は火山島として地図にも記されています」

「でも空から見えた集落とかは地理の本とかにも載ってなかったような…」


なんにしても集落へ向かう。

しばらく歩くとその集落が見えてくる。


そこへ足を踏み入れるが人の姿は少なく、その人にも冷ややかな視線を送られる。

話を聞かないと始まらないので適当な人に声をかける。


「あの、赤龍について何かご存じないですか」

「よそ者が我らの神を土足で踏みにじろうっていうのかい」

「違うわ、私達はそれについて調べているのよ」

「なら誠意を見せな、そうだな、炎に認めるまで耐えてみせてくれよ」


とんでもない要求をされたものだ。

とはいえそれを飲まなければ話は進まないだろう。


アレイシャがその役目を買って出る。

ヒルデもセクネスもアナスティアもそれを止めるが、頑固な一面もあるので聞かない。


集落の人も嘘だろうという空気になる。

だが認められるためならと少し威圧的な態度で人達に準備をさせる。


準備が終わりアレイシャは服を脱ぎ燃える火の中へと入っていく。

集落の人達もこちら側もそれを見守る。


「おい…やっぱり言い過ぎたんじゃ…」

「で、でも今さら止めるのかよ…」

「アレイシャ様…」

「あの子本当に無茶苦茶すぎるわよ」


それから一時間ほど炎の中で精神を統一するアレイシャ。

その炎で皮膚は焼け痛々しい姿になっていた。


だが生きる屍であるアレイシャにはそれぐらいなんともない。

流石に集落の人達も止めに入る。


「も、もういい!もういいから!」

「どうも、それで話を聞かせてくれる?」

「あんた無茶しすぎよ!この馬鹿!」

「しかしあれだけの炎にさらされてなんともないのですか?」


それについては黙っておく。

そして改めて話を聞く。


「実は火山に噴火の兆しがありましてな、それを鎮めるべく巫女様が祠へ向かったのじゃ」

「祈りとかそういうものね、その祠は山の方かしら?」

「ああ、火山の麓にある洞窟だよ」

「どうするの?私達も行ってみる?」


集落の人達は今は危険だと言う。

もし龍の神の逆鱗に触れたら火山は噴火するかもしれないと。


それでも行くと決めたその目に迷いはなかった。

祠のある洞窟へとアレイシャ達も向かう事に。


「待ちなされ、これを持っていきなさい、洞窟の熱を遮断する護符ですじゃ」

「こいつなしで洞窟に入ろうものならあっという間に骨になっちまうぞ」

「うげっ、おっかな…」

「感謝します、では我々は行きますので、夜までには戻れるようにします」


そうして巫女が向かったという火山の麓にある洞窟へ向かう。

赤龍に縁のあるこの火山島には独自の信仰がある。


黒龍の言っていた信仰心は確かにそこにある、それは龍の神の力となるのだろう。

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