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製鉄工場の怪

幻惑の森を抜けたアレイシャ達。

なんとか工場の街へと到着する。

このアイアニーズの街は製鉄で有名な街である。

ノルスタニアに流通する鉄鋼の多くはこの街で作られている。


「ここが工場の街アイアニーズね」

「とりあえずヒルデについて情報がないか訊いてみましょう」

「当てにはならないと思うけどね」

「それでも、ですよ」


そうして街で情報収集を開始する。

だが街の人は何やら困っている様子だ。


「何かあったのかしら」

「話を聞こうにもね」

「一応分かっているのは製鉄工場で何かがあった、ですね」

「なら行ってみない?その製鉄工場」


アナスティアの提案は相変わらず楽しそうに言うものである。

とはいえこのままでは埒が明かないので、その製鉄工場へ行ってみる事に。


「あの、何かあったのですか?」

「一番大きな製鉄工場で何かがあったって聞いたんだけど」

「ん?ああ、実は最近奇妙な現象が多発してて稼働出来なくて困ってるんだ」


どうやらこの街で一番大きな製鉄工場でここ最近怪奇現象が起こるらしい。

それにより工場は止まってしまい困っているという。


「なら私達が調べてあげる、こっちは用事があるからそれでいいわよね」

「調べてくれるなら助かるけど、無茶はしないでくれよ」

「任せて、それじゃ工場に入って調べてくるわ」


許可は一応もらえたのでそのまま工場の中へ。

中は静まり返っていて鉄の臭いと煤が少し舞っていた。


「動いてない工場ってロマンよね」

「アナスティアは昔から廃墟とかが好きなんですから」

「でも怪奇現象ってなんなのかしら?幽霊的な何かとか?」

「ばっ、幽霊なんているわけない…」


どうやらエロイーズはその手のものは苦手なようだ。

とはいえ今は何かが起こる様子もない。


「待って、何か聞こえない?」

「聞こえないわよ」

「…気のせいでは?」

「あたしも何も聞こえないけど」


だがアレイシャは確かに何かの声を聞いていた。

それは生きる屍となった事で霊的なものへの感受性が強くなったからなのか。

アレイシャはその声のする方へと向かう。


「この先ね」

「ここって保管室じゃない」

「鍵は開いてるわね」

「なら入ってみるのみですよ」


そうして保管室へと足を踏み入れる。


「…へっ?」

「あれ?お客さん?もしかして私が見えてる?」

「あなた、まさか幽霊?」

「ゆゆゆ、幽霊!?そんなのどこにいるってのよ!」


どうやらアレイシャにだけ見えているようだ。


「あの、その幽霊はどこに…」

「目の前にいるじゃない、もしかして私にだけ見えてる?」

「みたいだね、騎士のお姉さん」

「そ、そんなの嘘よ!非科学的よ!」


とはいえアレイシャには確かにその姿が見えている。

アレイシャの視線の先には確かに少女の霊がいる。


「それよりあなた何をしてるの?」

「んー、暇だから遊んでた」


どうやら悪霊や怨霊の類ではないらしい。

とはいえこのままでは工場の営業に支障が出るので、事情を話す。


「そうなんだ、悪い事しちゃったね、なら近くの空き家にでも住み着くよ」

「うーん、それはそれで…まあ許可を確認してからね」

「本当に幽霊と話してるのね」

「私達には空気と話してるようにしか見えません」


とりあえずその幽霊は一緒に出る事に。

街に戻り街の長に事情を説明する。


「そうですか、見えないけど確かにそこにいると」

「ええ、それで空き家があるはずだからそこに住まわせてあげて欲しいの」


長も見えないとはいえ危険を回避するためにそれを承諾する。

そのまま空き家へ案内される。


「ここね、街で遊んでもいいけど過激な悪戯はしないのよ」

「うん、ありがとう、騎士のお姉さん」


そうして怪奇現象は一件落着である。

その後はヒルデについて改めて訊いて回る。


その結果二年前にこの街を訪ねていたという確証を得る。

行き先を尋ねると北にある銀山の街へ向かったという。


その街へは北にある山を越えれば近道だとも聞いた。

そうしてアレイシャ達は宿で一夜を明かし、翌日にその山を越える事に。


なお森で見た神像の事は結局詳しくは分からなかった。


そうして次の目的地である銀山の街へと出発するのである。

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