遺跡の深部
遺跡の中を進むアレイシャ達。
七層を突破し八層へと足を踏み入れる。
最深部まであとどれぐらいなのか。
それでも迷う事なく進み続ける。
「ここは水がたくさんあるわね」
「そうね、あとは浮島?」
「なんにしても進むしかなさそうですね」
「セクネス!待ちなさい!」
次の瞬間セクネスの立っていた足場が水に沈む。
なんとか間一髪で落水は避けられた。
「危なかったですね…助かりました」
「どうやら定期的に足場が浮き沈みするようです、浮上しているときに駆け抜けますよ」
「この魔物の数の中を不安定な足場とかおっかないわね」
「それでも行くしかないわ、走るわよ!」
そうして魔物の群れを突っ切る。
足場が消えたり浮いたりする中を一気に駆け抜け階段へ。
そして階段を守る魔物を処理し次の層へと進む。
次の層は前の涼しさとは一転とても暑さを感じた。
「涼しかったと思ったら今度は暑いのね」
「はぁ、もう疲れたわ、早く進みましょうよ」
「アナスティア!足元!」
「後ろに跳んで!」
次の瞬間アナスティアの足元から炎が噴き上がる。
どうやら炎が噴き上がる場所があるようだ。
「危ないわね…助かったわ」
「炎が噴き上がる場所は熱が出ています、それを避けるように」
「ええ、それじゃ進むわよ」
「最深部までまだなのかしら」
魔物を処理しつつ先へと進む。
強い魔物も慣れたのか簡単に倒してしまう。
そうして先に進み階段を守る魔物を処理する。
その階段から下に下りるとそこはかなり潜ったのか、暗闇も深い。
「結構暗いわね」
「でも見えなくはない…って嘘…でしょ…」
「囲まれてるわ…それも敵は…」
「ドラゴンゾンビ…それも10体も…まさかここは…」
周囲を囲むもの、それは死竜の群れだった。
前方を見ても階段はない、どうやらここが最深部のようだ。
「どうすんのよ!ドラゴンゾンビ10体とか!」
「決まっていますよ、倒すんです」
「いや、流石にそれは…浄化の魔法が使える…そうですよ!アナスティア!」
「はぁ、乙女の肌を傷物にするのね?でもやるしかないなら仕方ないわ」
周囲を見渡すと片方に固まればある程度の時間は稼げると判断する。
まずは安全の確保に務める事となる。
「いくわよ!いくらドラゴンでも不死ならシスターのあたしが浄化してあげる!」
「一撃でやれる保証はありません、討ち漏らしたら確実に追撃なさい」
「なら私がやる、仮にもシスターだし」
「銃だからリーチもあるしね、任せるわよ」
そしてまずは右側へと走りドラゴンゾンビにアナスティアの浄化の魔法を当てる。
当然それだけでは足りないのでエロイーズの追撃で落とす。
その後も一撃ならなんとか耐えられるので、ゼスフィの魔法でそれに耐える。
あとは向かってくるドラゴンゾンビを順次迎撃する。
それを繰り返しなんとか全てのドラゴンゾンビを処理し切る。
あとはこの場所の探索だ。
「ふぅ、なんとかなりましたか」
「ここってなんなの?この壁にあるのって…」
「やはり龍神の神像ですね、ここは龍に関係するのは確かです」
「でも結局人なんかいなかったわね」
するとどこかで聞いた声がする。
それはレザースだった。
「お久しぶりですね、まさか死竜の群れを倒すとは」
「レザース、あんた何してんのよ」
「あなたもここの調査ですか?」
「何か知ってるの?」
レザース曰くここは昔龍の神を祀っていた場所らしい。
それがいつしか龍の墓場となり死した龍が動き出すとか。
「つまり龍の神とは無関係なのかしら」
「でもこの神像はどう説明するの?」
「なんにしてもここは怨念が漂っています、長居しない方がよろしいですよ」
「気になる事は多いんですけどね、まあ話も聞きたいので一緒に来てもらえますか?」
レザースもやれやれという顔をする。
とはいえ今のアレイシャ達が何を追っているかも気になるようだ。
「少しだけですよ」
「助かります」
「ならここを出ましょう、怪しいけど収穫なしよ」
「そうですね…っ!?」
ゼスフィが突然何かを感じ取る。
そしてどこからか声がした。
出る前にもう少しだけ波乱がありそうである。