教会の地下
エルベリア国内を旅するアレイシャ達。
ようやく首都のシェラネに到着する。
そこで言われた任務であるエスナダ教会の地下へと向かう。
昼間は観光などで時間を潰し夜に行動を開始する。
「さて、それじゃエイル、そっちは任せたわよ」
「ええ、上手くやっておくわ」
「それじゃ私達は行きましょう」
「ですね、それでは参りますか」
そうしてエイルにそっちは任せ教会へと向かう。
そこの地下に何があるというのだろうか。
「ここがエスナダ教会ね」
「地下ってどこから行くのかしら」
「正面は礼拝堂ですね、だとしたら正面はなさそうです」
「周囲も調べてみますか」
そうして周囲を調べてみる事にした。
すると教会の脇に地下への階段を見つける。
ここから地下へ行けるのかと思い、階段を下りる。
そこには何やら狭い通路に通じていた。
「なんなのかしら、ここは」
「さあ、でもいい感じはしないわね」
「奥に進めば分かると思いますよ」
「ですね、進んでみましょう」
通路を進むアレイシャ達。
すると比較的狭い部屋を見つける。
その部屋も念のため調べる事に。
部屋に入るとそこにはなにやら棺桶があった。
「これって…」
「人の死体ですね、状態からして比較的新しいですよ」
「なんでそんなのがあるの?死体の安置所ってわけでもないわよね」
「この死体からは腐臭がしませんね、腐らないようになっています」
棺桶に入っていた人の死体。
それは何を意味するのか、とりあえずはそれは今は放置して奥へと進む。
さらに奥へ進むと同じように棺桶のある部屋がいくつか確認出来る。
どれにも比較的新しい死体が収められていた。
「なんなのかしら、この棺桶の死体は」
「分かりませんね、ですが何かしらの目的があるのは確かでしょう」
「もっと奥に進めば何か分かるのかしら」
「行って確かめるのみですね、行きましょう」
もっと奥へと進むアレイシャ達。
すると比較的広い場所に出る。
そこには祭壇らしきものがあり、神像のようなものが確認出来る。
なんの像なのか、それを調べてみる事に。
「なんなのこの像は」
「これは…どうしてこんなものが…」
「ゼスフィさん、何か存じているんですか?」
「様子からして心当たりがありそうね」
すると後ろから何者かの足音がする。
それに感づきすぐさま振り返る。
「おや、ネズミが入り込んでいましたか」
「あんた、何者かしら」
「少なくとも神父様という感じはしませんね」
「何者なの」
その男は少し間を置いて答える。
そして口から出たのはあの言葉だった。
「私はザムエル、天使様を崇拝する者です」
「天使様…またなのね」
「この像はやはり…そういう事ですか」
「それでその天使様に力でも授かりましたか?」
ザムエルは少し笑いその手を見せる。
それはやはり今まで見たものと同じあの異形の手だった。
「やっぱりか、それで、やろうっての?」
「そうですね、今日はやめておきましょう、明日の夜再びここへ来て頂けますか」
「…いいわ、ならそのときに聞き出してあげるから」
「意外と紳士ですね、感心します」
そうしてザムエルはその場を立ち去った。
とはいえ気になるのはゼスフィが動揺したその神像。
何かしらの事を知っているのは確定だろう。
とりあえずはアレイシャ達もここを出る事にした。
「神像の事はあいつを倒してから聞かせてもらうわよ」
「ええ、分かっています」
「とはいえあの手は毎回ワンパターンね」
「それでも強い力です、油断は出来かねますね」
そのまま宿に戻る事に。
道中であの死体の事もやはり気になっていた。
「あの死体は結局なんだったのかしら」
「分かりませんね、ですが恐らく生贄とか何かしらの用途はありそうです」
「人の死体を供物にする、そんなところかと」
「供物…つまり捧げ物って事なのね」
とりあえずはその情報はそれで整理しておく事になった。
とはいえあの死体を何に使うのかというのはやはり気になってしまう。
天使様への供物なのだろうか、それとも別の何かなのか、答えは今は分からないままである。