表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
121/230

北へ向かう

エルベリア国内を旅するアレイシャ達。

バカンスによる息抜きを終え再び首都を目指して進む。

首都は海のある小国からは北の方角。

その首都に向け再び歩みを進めるのである。


「ここが次の小国ね」

「そうよ、首都を目指すなら北だもの」

「エルベリアは北寄りに首都がありますからね」

「なんか複雑な道ね」


西へ進みそこから北へ進む。

首都での目的を果たしたら海越えのため再び西へ進むのである。


「なんにしてもこういうのは土地柄よね」

「ですね、この国は国境近くに首都がないだけ賢いかと」

「北寄りではあるけどね」

「それにしても文化が解禁されたのが近年という事もある感じはしますよね」


セクネスの言う事も確かに尤もだ。

この国は元々他国の文化を禁じていただけにどこかぎこちなさはある。


とはいえその20年でかなり浸透した感じは見受けられる。

馴染むのに時間はかからないという事なのだろうか。


「それにしてもバカンスで思ったけど、ヒルデって鍛えてるわよね」

「普通に腹筋割れてて驚いたわよ」

「というかこのメンツで一番鍛えてるんじゃない?」

「ガチムチではないけど筋肉質な感じはしたわね」


ヒルデの鍛えられた肉体。

それはヒルデの過去に関係しているのか。


元軍人で今でも鍛えているエイルよりも鍛えられたその肉体。

そんな鍛える理由も見当たらない以上やはり気になるものである。


騎士であるアレイシャやセクネスもその鍛えられ方には驚くぐらいだ。

今でも鍛えているとは言うが、それだけでは説明がつかない。


「まあ何かとあるんですよ、とはいえスピードが落ちない程度の筋肉ですが」

「あれがスピードが落ちないギリギリの筋肉量なの?」

「確かに筋肉は重さがあるのでつけすぎると運動量が低下しますね」

「ええ、私も軍隊で筋肉は最低限の軽快さを維持出来るだけつけろって言われたわ」


軍隊でも筋肉はつけるように言われるが軽快さは維持出来るだけらしい。

そう考えるとヒルデの鍛え方はとても合理的なのだろうか。


エイルですら感心してしまうその鍛え方。

やはりヒルデの過去に何かそういう知識を得る経験があるのか。


「鍛え方というのは正しい鍛え方があるのですよ」

「ヒルデの言う事は正論なのよね、筋肉はただつければいいってものじゃないもの」

「あのエイルさんがヒルデさんをべた褒めする辺り相当なのでは?」

「というかヒルデを怒らせたら頭をアップルにされそうで怖い」


確かにエロイーズの言うようにヒルデの握力は相当なものだ。

それこそリンゴを握りつぶせる程度には握力がある。


エロイーズも恐れるヒルデの戦闘能力はどこで身につけたのか。

戦争などで傭兵として最前線で戦うような技量らしい。


「そうですね、とはいえ格闘術はきちんとしたものですよ、我流ではありません」

「ふーん、流派はあるのね」

「なんか謎が増えるだけね、どうしたものかしら」

「謎を解明するつもりが謎が増えてしまいましたね」


結局ヒルデの事については分からないままだった。

やはり謎は謎のままの方が幸せという事なのか。


「ふふ、ですが今の私はただのメイドですよ」

「怪しいわね、ただのメイドがこんな修羅みたいな肉体してるか」

「エロイーズも食い下がるわね」

「ですがそれでも気になるものはなりますよ」


ゼスフィも気になる程度にはヒルデの謎はあるという事だろう。

やはり世の中分からない事はあるものである。


「まあいいわ、早く首都に行きたいしね」

「首都までは少し距離があるからのんびり行きましょ」

「エイルさんはマイペースですね、これで元軍人なんですから」

「でも操縦士なんだしいいんじゃない?」


エイルも元軍人とは思えないマイペースっぷりである。

とはいえそういう誰かの波に左右されない大らかさは素晴らしい。


「それじゃ次の小国に飛ぶわよ」

「了解よ、それじゃ行きましょ」

「首都までもう少しかかりそうね、国の土地は何かとあるわ」

「首都を目指してですね」


そうして次の小国へと飛び立つ。

結局謎が増えただけの今回の話だった。


ヒルデの過去に触れる日は来るのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ