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鉄の蛇

磁鉄鉱を手に入れるべく南東の鉱山にやってきたアレイシャ達。

その鉱山は普段は磁鉄鉱が結構掘れるのだという。

だが今年は不作らしくあまり掘れないそうだ。

それでも磁鉄鉱を手に入れるために採掘を開始する。


「ったく、女の子に力仕事させんな」

「文句を言わない」

「でも磁鉄鉱ってそこそこ貴重なはずよね」

「ええ、まあレアリティ的にはそうでもないのですが」


とりあえず採掘を続ける。

普通の鉄鉱石はゴロゴロ出るが磁鉄鉱はなかなか出ないものである。


「にしても気になるのは強い魔物ってやつよね」

「そうね、環境的に獣とかはないんだろうけど」

「こういうところだとワーム系の魔物とかかしら」

「なんにしても遭遇しない事を祈りましょう」


その後も採掘を続ける。

だが出るのは普通の鉄鉱石ばかりで磁鉄鉱は出ない。

そんな中思わぬものを掘り当てる。


「待って、これ鉄じゃないわよ」

「これってミスリルじゃない、今のご時世なら凄く高く売れるわよ」

「ミスリルが…五つ程度ありますね」

「これは持ち帰ってお金にしましょう、不謹慎だけど戦争中だからこその価値になる」


とりあえずミスリルの原石は持ち帰って換金する事に。

その後も磁鉄鉱の採掘を続ける。

少し奥に進み鉄の質は少しはよくなっているが磁鉄鉱は出ない。


それでも諦めずに掘り続けるとついにお目当てのものが顔を出す。


「磁鉄鉱…数は…うん、足りるわよ」

「流石に少し奥まで来ちゃったわね」

「魔物に遭遇しないうちに引き上げましょう」

「そうね、ん?」


何やら小刻みに足元が揺れる。

そして次の瞬間黒い色をした巨大な蛇がその姿を見せる。


「あちゃ~、出たわ」

「こいつ…まさか鱗が鉄なんですか?」

「物理攻撃は効果薄そうな相手ね」

「ならアナスティアの魔法を中心に攻め立てるわ、私達はそれを守るわよ」


逃げられそうな気配もなくその鉄蛇と戦う事に。


エロイーズは蛇の頭部に射撃を放つが効果は薄い。

アレイシャとセクネスの剣もその堅い鱗に阻まれる。


だが前衛の囮により詠唱は確保されているので、アナスティアの魔法が決まる。


思った通りに魔法は効果が大きい、だが相手はタフな魔物。

ガス欠になる前に仕留めなくてはいけない。


「あー、もう!こいつどんだけ堅いのよ!」

「アナスティアの魔法がガス欠になる前に落とすのよ!」

「こっちだって修練積んでるんだから!甘く見ないのね!」

「アナスティアを守るんです!いいですね!」


その後も前衛の囮で時間を稼ぎアナスティアの魔法を次々に当てていく。

だがその魔物は凄まじいタフさでアナスティアがガス欠寸前である。


「はぁ、仕方ないわね…下がってなさいよ!あと守れ!」


エロイーズが魔法の詠唱を開始する。

その詠唱は高位の魔法だとアレイシャは理解した。


そして次の瞬間エロイーズの魔法が炸裂する。


その魔法の威力は凄まじく鉄蛇は一気にその場に倒れてしまった。


「ったく、どうしてくれんのよ」

「あなた、何者なの?」

「高位魔法を使えるなんて驚きました」

「あたしでもあんな凄いの使えないわよ」


とりあえず魔物にはなんとか勝利した。

そのまま街へと戻り磁鉄鉱の加工を頼む事に。


加工してもらった磁鉄鉱はコンパスのような形になった。

これで東の幻惑の森を抜けられる。

ついでに鍛冶屋に寄り手に入れたミスリルの原石を鑑定してもらう。


その結果今のご時世もあってか全部で四万ほどになった。

これで少しの間はお金はなんとかなる。


ついでに薬屋へ行き例の水筒を買う事にした。

水筒を買いその場で薬を入れてもらいこれで少しは安心だろう。


そしてエロイーズの事も一応訊いてみた。


「私は中央教会から派遣されたのよ、だからよ」

「中央って、あのエメラダ教の総本山ですか」

「どうりで強いわけよね、納得したわ」

「…まあ信じていいのよね?」


エロイーズは信じなくてもいいとだけ言う。

それでも戦力として彼女を切り捨てる事は出来ない。


同行は引き続き許可しそのまま東の森へと進む。

磁鉄鉱のコンパスがあれば森を抜けられる。


ヒルデを追う旅路はまだまだ続くのである。

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