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海を目指して

エルベリア国内を旅するアレイシャ達。

今の目的はとりあえずは海を目指す事である。

たまには休みも欲しいのでバカンス目的だ。

そんな海を目指して西へと進む。


「海まではあとどれぐらいなの」

「小国であと三つぐらい西よ」

「ならそんな時間はかからなさそうね」

「ですね、たまには休みもいいでしょう」


そんな今は小国の一つサンスルに来ている。

ここから西へと飛ぶ事になるのだが。


「でも海ねぇ、次の国も海越えでしょ」

「そうよ、海を越えるというのも楽しみにしててね」

「操縦はエイル任せだから流石に墜落はしないわよね」

「それはないと信じたいですね」


エイルの操縦の腕は確かなので信用はしている。

とはいえ飛行船のトラブルは常にチェックしておく方がいい。


そんなこの国でも燃料の補給は欠かさないのである。

飛行船の動力は主にガスと油、少し割高ではある。


「それにしてもこの国って海を越えたらもう西の大陸なんでしょ」

「ええ、陸路だと迂回になりますが、海を越えれば直で入国可能です」

「それに陸路で行くと紛争地帯とかもあるから飛行船でも危険はあるのよね」

「なるほど、だから海を越えてみないかという事を…」


陸路及び空路でも北からの迂回は危険らしい。

海越えを提案した最大の理由はそこなのだろう。


情勢などを知るヒルデとエイルらしい提案だと改めて思う。

そんなわけでまずは海を目指しバカンスを終えたら首都を目指す事となる。


首都に数日滞在した後西へ再び進み海を越えるルートへ進む。

海を越えればそこは陽気な国イハレアらしい。


「それにしても海越えルートにそんな理由があったのね、納得かしら」

「なんにしても北からの迂回は危険も多いですからね」

「海さえ越えればそれを全部回避出来るのね」

「ただ海の上という事は下りられる場所がないという事でもありますが」


なんにしても安全なルートは海越えだとエイルは言う。

ヒルデも安全を少しでも考慮するなら海越えがいいと提案する。


「でも世界にはそういう紛争とかやってる国が多いのね」

「こればかりは簡単に解決出来る問題ではないですからね」

「何十年と紛争が続いてて少年兵とか普通にやってたりするのよ」

「嫌なものですね、平和というものの大切さを理解した気がします」


世界には紛争などで荒れている国も多い。

だからこそ平和の大切さを噛み締めねばならないのだ。


そこにある平和を当たり前だと思ってはいけない。

戦争は突然起こるものなのだから。


「少なくとも戦争は自然発生はしません、ですがそれは突然なのですよ」

「平和は永遠じゃない、そう言いたいのよね」

「そうよ、戦争はするものじゃない、外交努力を重ねてその結果に起こるものなの」

「相手の要求を飲み込んだら負け、そう言いたいのね?」


戦争は自然発生はしない、だがそれが起こるのは突然。

そして外交の決裂が戦争の引き金なのだろう。


軍隊を経験しているエイルはそういう事にも詳しそうだ。

または相手からの一方的な侵略、それも戦争の発端となりえるらしい。


「過去に戦争被害者がある国にやめてくれと懇願した話がありましてね」

「それで…どうなったんですか?」

「その国はならお前達が俺達の国を守ってくれるのか、と一蹴したそうよ」

「でもそれは正論よね、戦争をするなと言ってもそれは守りを捨てろって事よ」


戦争とは相手を攻めるだけではないという事がこの話からも受け取れる。

国を守るために戦争をするしかないという国もあるという現実だ。


「だから戦争とは相手を討ち滅ぼす事が全てではない、国を守るために、とも言えます」

「国を守るための戦争…」

「戦わなければ国は滅ぶだけ、現実はそんなものなのよ」

「侵略者相手に無抵抗なんて流石にアホよね」


ヒルデとエイルはどこか影を見せる事がある。

それは過去に何かあったからなのか。


「では海を目指しますか」

「いつでも行けるわよ」

「早く海に着きたいしね」

「それじゃ行くとしましょうか」


そうして西へと飛行船は飛び立つ。

ヒルデとエイルの情報源はどこなのか。


とりあえず今はバカンスを目的に西へ進む。

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