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国家を騙すという事

エルベリア国内を旅するアレイシャ達。

現在は小国の一つキリィネに来ている。

この国の歴史は一度滅ぼされかけた歴史がある。

そんなこの国の歴史もアレイシャ達は学んでいく。


「今日は曇ってるわね」

「まあ一年中晴れていたら干魃になってしまいますからね」

「たまには雨もいいんじゃない?」

「そうね、雲行き的にあと一時間ぐらいで降りそうかしら」


アナスティアの意外な発言。

天気の行方が分かるのか。


「アナスティア、あなた天気を読めるの?」

「うーん、確定ではないけど七割ぐらいは当てられるわよ」

「そういえばアナスティアって教会にいたときに気象学の本読んでましたよね」

「マジ?意外と頭いいのかしら」


七割ぐらいの確率で天気が読めるというアナスティア。

そう考えると普通に気象学の知識に精通していると言える。


「教会にいたときは意外と暇だから本をよく読んでただけなのよ」

「ですがそれだけの気象学が身につくという事は実は秀才なのでは」

「そう思うわね、気象学って普通に高等な学門よ」

「まあ私も天文学に詳しいですからね、本だけは読んでいたので」


セクネスは天文学。

教会で本をよく読んでいたというのは大したものである。


とはいえその知識を活かせる場面は少ないようではある。

あくまでも暇潰しに読んでいたものをすっかり覚えたという事か。


「まあ知識の大切さはありますよね、エルベリアが国ごと騙された事のように」

「それってあれよね?国ごと詐欺の被害に遭ったっていう」

「そうね、それも国民性を利用されたと同時に知識のなさが引き起こしたのよ」

「つまり知識があれば被害は防げた、ですか」


知識の大切さ。

それは騙されないためにも必要になるもの。


相手を騙すときは大抵無知に付け込むケースが多い。

それを未然に防げるのも知識だとヒルデは言う。


「まあ冷静になれるかどうかですよ、知識があっても混乱しては無意味です」

「でもそんな都合よく知識を掘り出せるかしら」

「難しいとは思うわよ、でもないよりはある方がいいわ」

「難しいものね、でも国ごと詐欺をするなんて相当大がかりよね」


確かにそれは言える話だろう。

だが国を騙すのは国を理解していれば思っているよりも簡単らしい。


国民性さえ理解していれば思っている以上に簡単に騙せるという。

その結果エルベリアは過去に国ごと騙され多額のお金を盗まれたそうな。


「なので詐欺というのは言うならば知識なのですよ、特にプロはそれが顕著です」

「プロの詐欺師は詐欺だと分からないように詐欺を働く、凄いですね」

「でも確認するまで分からないってあると思うわよ」

「その結果調べもせずにホイホイと騙されるって構図よね」


詐欺は騙されてからでは遅い。

調べるという一手間で被害は防げるとエイルは言う。


だが調べる手段が乏しい場合はどうすればいいか。

連絡先の場所へ実際に行ってみたりするのも手だそうだ。


詐欺師は拠点を特定されないように虚偽の連絡先を作るのは鉄板という。

大抵は手紙などで詐欺は働かれるのでその場所は高確率で記されているからである。


「詐欺の基本は連絡のやり取りです、なので必ず手紙の送り先などが分かりますね」

「相手も催促するけど猶予は必ずあるからその連絡先を覚えるのは大切よ」

「手紙でやり取りする以上差出人不明にするには最低限のお金がかかる、よね」

「そう考えると詐欺も面倒よねぇ、通信機械なんて軍の飛空艇とかにしかないし」


この世界において通信機械はとても高額で詐欺師でも簡単には手に入らない。

その結果手紙のやり取りによる詐欺が生まれたのだろう。


騙されるかどうかは本人次第でしかないという事。

そして知識がある方が優位に立てるという事でもあるそうな。


「さて、今日はここで宿を取りますか」

「次へは明日ね、何か美味しいご飯とかあるかしら」

「エイルは加減しなさいよ」

「入国したときも泣かせてましたし」


そうして今日はこの小国で宿を取る。

今の目的地は海でありバカンスだ。


任務は届くだろうが、その前に海を目指すのである。

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