表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/230

そそのかす者

農園の焼き討ちから一夜明けた。

結局天使様というものについては分からずじまいだった。

だが分かっている事は、その天使様という存在が人をそそのかしている事。

そして悪行を行わせ何か企んでいるのか、とも考える。


「報告は終えてきたわよ」

「にしても結局天使様って何なのよ」

「分かりませんね、ですが邪神の力を与えられる天使だと…」

「サマエル、ですね」


サマエル、それは人を堕落させる天使の事である。

だがそんな高尚なものが本当に暗躍しているのかという疑問も残る。


「サマエルってなんなの?」

「一般的には人を堕落させると言われる天使の事ですよ」

「ですがサマエルが暗躍しているならもっと何か感じるはずです」

「つまりサマエルじゃないという事かしら」


ゼスフィ曰く本物のサマエルならもっと大きな力を与えると考える。

つまり力を与えているのはサマエルではないとゼスフィは思っていた。


だが力を与えているのは誰になるのか。

裏で何者かが暗躍しているのか。


エロイーズも少しそこが引っかかる。

エメラダ教は何かを知っているのか。


なんにしても今後も似たような任務が届くはず。

もう少し様子を見る事とする。


「それで次に行く国はエルベリアよね」

「ええ、明日にも国境に移動しそのままエルベリアに入国します」

「では今日は観光ですね」

「にしても今は夏、バカンスの一つでもしたいわよ」


バカンス、エロイーズも流石に疲れているのか。

とはいえそれもいいだろうとは思える。


「ではエルベリアに着いたらビーチでバカンスですね、海に面した国ですし」

「お、ヒルデにしちゃ気が利くわね」

「私は流石に…」

「ゼスフィはそういうのは好きじゃないのかしら」


なんにしてもヒルデがそういう事を言うのも意外な気がする。

とはいえエルベリアは海に面した国だけにバカンスぐらいは出来るだろう。


あとは天気に任せる事になるわけではあるが。

そんなエルベリアでのバカンスを楽しみにしつつ今日は観光などで休みだ。


とはいえアレイシャ達は街の中で適当にしているだけだが。

農園の事も考えつつ少し休んでいるのである。


「そういえば農園はどうなったの」

「火の不始末による延焼という事で処理されてますよ」

「農園の主は失踪っていう事かしら」

「だと思います」


なんにしても強力な麻薬の草を栽培していたわけで。

それを全焼させたのだから少しはニュースになっている。


「そういえば農園の事はニュースになっていましたね」

「新聞でしょ、見たわよ」

「流石に規模がそれなりに大きかったものね」

「燃えたとはいえ調査はされるんでしょうか」


流石に国も知らなかったとは思えない。

調査は一応されるのだろう。


強力な麻薬という事もあり、結果次第ではもっと大きな騒ぎになる。

それもカルメーロは失踪扱いなのだからなおさらである。


「にしてもやっぱり引っかかる、天使様って何なのよ」

「サマエル、それかもっと別の何かか」

「流石にサマエルではないと思いますけど」

「でもやっぱり気になるものよね」


結局は気になってしまう天使様という存在。

人を悪の道に導く天使はサマエルである。


だがゼスフィはそれにしてはどこか引っかかっているという。

だが今は考えても始まらない、なので気にしないでおく事にした。


「にしても疲れたときには甘いものよね」

「そうね、甘いものは癒やしだわ」

「私は甘いものはそんな得意ではないのですがね」

「ヒルデさんって辛党ですよね、食事のときも辛い料理よく食べてますし」


ヒルデは辛党なのだという。

確かにそれはアレイシャも知っていた。


お酒もアルコールの強い辛口を好む。

料理も見ただけで胃が痛くなりそうな辛い料理をよく食べている。


甘いものも食べられないわけではないらしい。

とはいえヒルデはどちらかと言えば辛党らしい。


「さて、少し移動しましょ」

「ですね、明日には出発ですし」

「それじゃ行きましょうか」

「次の国はエルベリア、ですね」


こうして今はそれについては保留とする。

だが天使様の存在はやはり引っかかる。


それでもエルベリアでのバカンスを楽しみにするのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ