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燃える農園

ミクダニア国内を旅するアレイシャ達。

首都に到着し夜に農園で見たものは例の異形だった。

そして農園主から語られたのはまたしても天使様の言葉。

決着を着けるべく再び農園へと赴く事となる。


「それじゃエイル、任せた」

「ええ、気をつけるのよ」

「分かってる、今度こそ聞き出さなきゃ」

「では参りますよ」


そうして再び農園へと向かう。

静まり返った夜、農園には光が見えた。


「お待ちしていました」

「さて、あんたには訊きたい事がたくさんあるのよ」

「天使様について、話していただきますよ」

「それとも実力行使をお望みですか」


カルメーロは少し笑う。

そして言う。


「ならば力ずくで聞き出してはいかがですか」

「やはりそうきますか」

「ならやってやるわ、そのドタマ撃ち抜いてやる」

「あなたも力に飲まれているのね、悲しい人」


だが語るなら拳で語れという事なのだろう。

カルメーロとの戦いが始まる。


「参りますよ!」

「おっと、ですがこの程度私には造作もないものです」

「ヒルデ、あんた余裕ね!」

「でもそれでこそよ!」


カルメーロの攻撃を軽く躱すヒルデ。

以前から思っていたがヒルデの戦闘能力はやはりかなり高いようだ。


「ほらほら!遅いですよ!」

「ったく、異形の力ってのはとんだドーピングよね!」

「魔手よ、絡め取れ!」

「助かるわ!攻めるわよ!」


ゼスフィの魔法でカルメーロの動きが止まる。

だがそれも簡単に振りほどかれてしまう。


「少し、痛いですよ!」

「がは…なんだ…このヘヴィな一撃は…!?」

「怯んだ!蜂の巣にしてやる!」

「死神の鎌よ、斬り裂け!」


ヒルデの一撃が綺麗に入る。

相当重い一撃なのか、その拳を受けたカルメーロが大きく怯む。


そのまま攻め立てるアレイシャ達。

カルメーロも反撃に転じようとするが、ヒルデの攻撃にそれも阻まれる。


ヒルデの攻撃はそれだけ重いものという事なのか。

そしてカルメーロは力をさらに強くして反撃に転じる。


「なめるな、小童が!」

「そんなに力を強くしたら力に飲まれますよ!」

「どうせ聞いてなんかくれないわ!」

「そういう事、そのまま攻めるわよ!」


それでも攻め続けるアレイシャ達。

だが力をさらに強くしたその攻撃は今までのものとは違う。


「なめるな、このガキがぁ!」

「あんたに言われたくないっての、この!」

「それにエロイーズ以外は、大人ですよ!」

「そういう問題なのかしら!」


そしてカルメーロの動きが止まる。

どうやら限界が来たようだ。


「ぐうっ、力が…はは、だが…忘れるな…天使様は…世界を…ははははははっ!!」

「力に飲まれましたね」

「…こんな事だと思ってたわよ」

「それより決着もついたし農園を焼かないと」


本来の目的は農園の焼き討ちだ。

そのまま農園の麻薬の草に火を放つ。


火は瞬く間に燃え広がり、農園を焼いていく。

国の方には火の不始末でこうなったとしておく。


夜の暗闇に燃え上がる炎が光となって照らす。

それから一時間もしないうちに農園は全焼した。


これで言われた仕事は達成した。

だがやはり天使様という言葉がどこか引っかかる。


「結局天使様ってなんなのよ」

「さあ、ですがロクなものではないと思いますよ」

「邪神の力を与えられる天使様…どうしてそんなものが…」

「なんにしても今後も同じような事は起こるでしょうね」


アレイシャは今後も同じ事は起こると考える。

そしてエメラダ教の仕事も当然入ってくると。


それも踏まえ天使様というものについても調べなくてはならないと。

とりあえずは今回は仕事は終えた。


報告を済ませたらあとは観光でもして、近いうちにエルベリアに向かう事になる。

海に面した国エルベリア、そこからは海を越えるルートになる。


ヒルデとエイルは何か考えているようなのでそれも忘れずに。

アレイシャ達は宿に戻り残りのミクダニアを楽しむ。


「では引き上げますか」

「そうね、仕事は終えたわ」

「行きますか、眠いです」

「私も眠い、ふぁ」


そうして宿に戻りぐっすりであった。

エルベリアでも同じ事は起こるのか。


次の国であるエルベリアへはもう少しである。

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