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夜の農園

ミクダニア国内を旅するアレイシャ達。

ようやく首都のサコバレに到着する。

昼間は何事もなかったかのように観光を終え夜を迎える。

その日の夜、バンギ農園の焼き討ちに動く事となる。


「それじゃエイル、そっちは任せたわよ」

「ええ、そっちも気をつけてね」

「分かってるわ、それじゃ行ってくるわね」

「そちらはお任せしました、それでは」


そうしてバンギ農園に向かうアレイシャ達。

その農園で待つものはなんなのか。


「んでヒルデはやっぱりついてくんのね」

「当たり前です、アレイシャ様に何かあっては困りますから」

「過保護なんだから」

「でも従者らしさはありますよ」


ゼスフィもすっかり馴染んでしまっている。

とはいえその力に助けられていいるのも事実である。


そうしているうちにバンギ農園に到着する。

首都から少し離れた場所にあるその農園にあるものとは。


「ここがバンギ農園ね」

「焼き討ちって事だけど、火を放てばいいのかしら」

「ですが気になるものはありますね」

「火を放つ前に少し見てみませんか」


とりあえず少し見てから考える事にした。

バンギ農園、非人道的なものとはなんなのか。


「これなにかしら、麦とかじゃないのは確かよね」

「これは恐らく麻薬の材料ですね、それもとびっきり強力なやつです」

「麻薬…つまりここは麻薬を作っているの?」

「麻薬とはあれですよね、快楽の薬の」


ヒルデ曰くここで栽培されている草は麻薬の材料らしい。

それもとびっきり強力なやつで、使用すれば簡単に廃人になるようなものらしい。


元々麻薬を作る国はあるにはある。

だがそれは国の認可などない非合法な農園がほとんどだという。


それを別の国に流す事を商売にしている可能性はあるとヒルデは言う。

そんなものを作る辺りガチなのだろう。


「にしても妙ですね」

「ええ、見回りが一人もいないわ」

「本来誰か見回りがいるはずよね」

「妙ですね、もう少し調べてみますか」


そうしてもう少し調べてみる事にした。

すると加工場らしき建物から光が漏れているのを確認する。


その建物に近づき中を覗き込む。

どうやらここで麻薬に加工しているようだ。


とはいえ夜だけに人の気配はない。

だが人の姿は確認出来る、そんなときである。


「お客様ですか、今は閉園時間ですよ」

「あんた…この農園の主かしら」

「こんな物騒なものを栽培している辺り分かってやっているのですよね?」

「流石に政府が麻薬栽培の認可を出すとは思えないもの」


その主と思われる人はその顔を見て感づく。

そしてその口から出た言葉はあの言葉だった。


「あなた達ですか、天使様が言う計画の邪魔をする愚か者というのは」

「天使様…まさかあなたも…」

「力でももらってんのよね」

「我々を殺しますか?」


主は少し間を置いて言う。

それは明日にしようと。


「流石にこの場で殺すほど愚かでもありません、明日再び来ていただけますか?」

「あんたもなのね、紳士的なつもりかしら」

「それに隠してるつもりでも隠せていませんよ、その黒い力を」

「つまりやはり異形の力を手にしていると」


主はその力を見せてくれる。

それは今までと同じあの異形の力だった。


「そういえば名乗っていませんでしたね、私はカルメーロと申します」

「それはどうも」

「やはりそれは天使様に与えられた力…」

「一応訊くわ、天使様ってなんなのよ」


カルメーロ曰く崇高なる存在らしい。

この世界を憂いているお方なのだそうだ。


「憂いている人がこんな非人道的なものとは、笑えたものですね」

「なんとでも言いなさい、天使様はこの世界を救いたいと言っていましたよ」

「救いたいくせにこんなもん作るとかアホなの」

「流石に見過ごせませんよ」


カルメーロはそれについては明日に話すとだけ言う。

そしてそれだけ伝えその場を去っていった。


「なんにしても明日ね、あいつもぶっ飛ばしてやる」

「過激ですね」

「流石に見過ごせませんから」

「あいつを倒してから火を放てばいいわ」


そうして一旦引き上げる事にした。

とびっきり強い麻薬を作る農園。


そして異形の力を手にしたカルメーロとの戦いは明日になるのである。

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