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首都入り前

ミクダニア国内を旅するアレイシャ達。

現在は首都の隣にある小国のセンデムに来ている。

明日には首都入りのため情報などを集めるのだ。

バンギ農園の焼き討ちという指令、そこに何があるのだろか。


「にしてもこの国って面白いものよね」

「そうね、文化の共生ってやつかしら」

「それは以前も話したように歴史の話になるのよね」

「ええ、歴史があるからこうして共存が出来ているのですよ」


歴史的背景があるからこその共存。

それはこの国が元々は複数に分かれていた事が背景にある。


「だから人ってやっぱり共存出来るものなのよね」

「そう考えると捨てたものじゃないわよね」

「ですね、種族や人種の壁はきっと乗り越えられると」

「まあそこに至るまでが大変なのですがね」


そこに至るまでが大変。

それは至極正論である。


共存に至るまでの大変さはこの国の歴史が語る。

だからこそ可能性を信じられるとも言えるのだろうか。


「それはそうと明日には首都入りよね」

「ええ、なのでこうして情報を集めているのですよ」

「でも特にきな臭い話は聞こえないわよね」

「なら安心なんじゃないかしら」


バンギ農園の話は聞こえてこない。

つまりそれは情報統制がなされているという事か。


それとも国も知らないようにやっているのか。

なんにしても任務でバンギ農園の焼き討ちをしなくてはならない。


非人道的なものを作っているらしいが、それはなんなのか。

仕事をする以上知らなくてもいいという事なのか。


「ま、首都に着いたら観光でもしましょうか」

「そうね、首都なら見るものもたくさんありそう」

「旅をしているとはいえ観光気分なのもいかがと思いますが」

「あら、ヒルデは楽しくないのかしら」


ヒルデとしてはアレイシャが危険な事に関わるのは避けたい。

一応従者である以上主を守らねばならないからだ。


ヒルデの戦闘能力の高さはアレイシャが知っている。

とはいえ守られるだけというのも不服なようだ。


それもあってか騎士になったのだろうとヒルデは思う。

とはいえ今でもアレイシャはヒルデの恩人である、それに変わりはない。


「それで、とりあえずもう日暮れですし何か食べますか?」

「宿も取ってあるしね、エイルは加減しなさいよ」

「あれでも腹八分目なのに」

「あれでって…普通の人なら満腹の量ですよね」


とりあえず適当な店に入る事に。

そこで食べるものを頼むのだが、エイルは相変わらず凄い量を頼む。


店の人もその注文の量には驚いていた。

それでもきちんとオーダーしてくれる辺り、最初はこんなものか。


そうして運ばれてきた料理をきちんと平らげる。

エイルの食べっぷりには他の客達も拍手を送っていた。


そうして食事を済ませ、あとは自由という事で一旦宿へ移動する。

明日に備えてしっかり休んでおく事に。


そんな夜にアレイシャ達は少し話をする事に。

それはエロイーズの事でもある。


「にしても本当に私についてきちゃうのね」

「それは私が決めた事よ、お互いに分かっててやってるんだから」

「はぁ、アレイシャ様も困ったものですね」

「あら、メイドの悩みは深いみたいね」


エイルもからかっているが本心では分かっているのだろう。

ヒルデとしてもアレイシャの事は気がかりなのだ。


「それにエロイーズは優しい人って知ってるもの」

「あんたねぇ…まあお人好しとは言われるのは確かだけど」

「それは致命的なのでは?」

「職業柄確かにそれは言えるかもしれないわね」


エロイーズはどうも冷酷になりきれない節がある。

本人はクールになりたいと言っているが、それも難しいようで。


「私としてはこうね、クールな女になりたいのよ」

「全然なりきれていませんね」

「でもそんなところもエロイーズらしさよね」

「クールになるのは遠そうよね」


そうして夜は過ぎていく。

明日は首都入りだ、バンギ農園の焼き討ちをしなければならない。


昼間は今まで通り観光をして夜に仕事に移る。

非人道的なものとはなんなのだろうかとも気になる。


旅の終わりはまだまだ来そうにはないのである。

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