隣国の文化
ミクダニア国内を旅するアレイシャ達。
現在は小国の一つハイリィアに来ている。
首都では指令をこなす必要があるためそれにも備える。
そんな中この国の文化についても学ぶ。
「この国はお隣の国の文化も取り入れてるのよね」
「そうよ、元々多民族国家なのは何度か話してるでしょ」
「主にエルベリアの文化が入っていますね」
「エルベリアね、確か海に面した国だったかしら」
次に行く予定の国、それがエルベリアである。
そしてエイル達は何か考えているようだが。
「あとは言うならばグルシュなどの文化も入っているようですね」
「グルシュってどんな国なのよ」
「歴史のある国で歴史上の哲学者とかを生んだ国ね」
「ふーん、なんか凄いのね」
ミクダニアは多民族国家である。
その関係もあるからなのかお隣の国の文化は何事もなく受け入れられている。
国民もそれに特に異議は唱えていないようである。
歴史上の事もあってかそういう事には意外と寛容なのか。
「それでありながらミクダニア本来の文化なども残っていますからね」
「なんか凄いのね、この国は」
「ミクダニア自体元々は複数の勢力に分かれていたからかしらね」
「それを統一したという事が今の多様性に繋がったと」
そうして話しているうちにある人を見つける。
どうやら学者のようだ。
「あの、どうされましたか?」
「ん?あなた達は…」
「旅人よ、あなたは見た感じ学者かしら」
「こんなところで何をしているの?」
その学者は論文のネタを探しているという。
とはいえそれも見つからず暇を持て余しているそうな。
「そうだ、なら私がそれを用意してあげるわ、ついてきて」
「なにかあるんですか?」
「アレイシャってああいうのに積極的よね」
「何かコネでもあるんですかね」
そうして路地裏に移動する。
そこで例の呪文を唱える。
そのまま魔王城へと移動。
ミィアの下へ向かう。
「あの、ここはどこなんですか?」
「論文のネタを提供するのよ」
そうしてミィアの部屋へ。
「なんじゃ、また人を連れてきたのか」
「この少女は?」
「論文のネタを探しているそうなんだけどいいかしら」
ミィアはアレイシャにやれやれしつつも話を聞く事に。
「妾はミィア、魔王をやっておる」
「ま、魔王ですか?」
「何か論文のネタになりそうなものはあるかしら」
ミィアも笑ってみせる。
学者も戦力としては面白いとしてそれを提供する事に。
「ならば妾の仲間になれ、そうすれば論文のネタなど好きなだけくれてやる」
「つまりここに残る事が条件ですか?分かりました、ネタも欲しいので従います」
「いろいろごめんなさいね」
ミィアもアレイシャには興味を持っている。
ついでに戦力も欲しいので人の受け入れには躊躇はない。
「図書室にある文献などを好きに使え、それで論文などいくらでも書ける」
「は、はいっ!感謝します!」
「それじゃ私も戻るわね」
そうしてアレイシャも仲間の下へ戻る。
ミィアもその学者が本当は優秀だと見抜いていたようだった。
「お待たせ」
「相変わらずね、どこ行ってたのよ」
「詮索はしませんけど、心配はかけないでくださいね」
「それで次の小国に向かうんですよね?」
次の小国に向かう前に少し燃料などを買うらしい。
それを買い終わったら出発だ。
「それにしてもエイルって実は優秀なのかしら」
「どこかふわふわしてるのに芯は強いし知識もあるものね」
「恐らくエイルさんは貴族だと思われますよ」
「そうなの?それなら納得かしら」
ヒルデ曰くエイルは貴族の可能性が高いという。
元軍人とは言うもののその作法は隠せていないらしい。
つまり貴族としての礼儀や作法は自然と身についたという事か。
貴族が軍隊に入るのは珍しくないので納得なのかもしれない。
そういうのを見てもヒルデの謎は尽きないものである。
やはり何かあるのか。
「お待たせ、それじゃ出発するわよ」
「了解よ、そんじゃ行きましょ」
「首都までもう少しですか」
「首都の農園、ね」
そうして次の小国へ向けて飛び立つ。
首都に入る前にいろいろ調べたりもしなくては。
首都にある農園で待つものとは。