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鉄の産業

ミクダニア国内を旅するアレイシャ達。

現在は小国の一つツァンリィナに来ている。

この国の産業の一つでもある鉄。

それを使ったものもこの小国では垣間見える。


「この国は確か鉄も産業の一つよね」

「そうですよ、主に輸出用ですけどね」

「鉄の使い道って言うと武器とかだものね」

「確かに鉄なんて武器とか家を建てるぐらいしか浮かばないわよね」


鉄の使い道自体は豊富にある。

だが小さな使い道と言われると意外と浮かばないものだ。


「鉄は頑丈なのが売りですからね」

「確かに鉄の武器とかって結構頑丈よね」

「まあ武器なんてない方がいいに越した事はないのかもしれませんが」

「そうよね、誰だって争いは嫌なんじゃない?」


セクネスとアナスティアそこまで争いは好まない。

だが争いはなくせないと分かってもいる。


とはいえ争いを嫌う人もいるという事は理解している。

現実を見つつも夢は見るものである。


「とはいえ世の中には軍需産業というものもあるのですよ」

「そうね、武器商人とかは戦争で儲けるって言うし」

「そういう人達を廃業させるのが戦争の終結よね」

「でも売る先なんて他にもあるのでは?」


確かに武器商人がそれを卸す先はたくさんある。

国の軍隊などに武器を卸すのも武器商人の仕事だ。


そもそも鉄の産業も多くは武器商人や軍隊がお得意様である。

武器を作る人間に鉄を卸しそこから軍隊などに流れていく。


兵士達に支給される武器もそういう産業で成り立っている。

国を守るために武器を持つのはごく自然の事だからだ。


「軍隊を放棄した国は以前も言いましたが国民がガッチガチに武装するしかないです」

「軍隊は国を守るのに必要なものであって言うならば必要悪なのかしらね」

「確かに軍人を毛嫌いする奴は一定数いるわよね」

「軍隊や騎士といったものは民を守り国を守るものなのに」


結局世の中には嫌われ者は必要なのだろう。

だが軍隊を放棄した国が行き着く先は言うまでもない。


国民が武装をしなければ軍隊を放棄する事は出来ない。

その即ち侵略してくださいとアピールするようなものだからである。


軍隊を不要だというのなら侵略されてもいいという事になる。

国を滅ぼすのは敵国以上に内部から破壊される事が多いからだ。


国内に潜む敵国のスパイなどが内部から国を破壊する。

そして敵国を招き入れ国は一気に滅ぶのである。


「バルディスタの事を見ても国は内部から破壊されるものですよね」

「敵国のスパイは常に国内にいると思うべきよね」

「それか敵国との内通者とかもね」

「確かに敵国と仲良くしようって言うような政治家は基本怪しいわよね」


本来隣国とは付かず離れずな関係が理想である。

隣国と仲良くしていた国は滅ぶと歴史が証明している。


隣国と親しくしていると突然それを反故にして攻め入られる事も多い。

特に親しくしようとする人間はその背景も調べるべきだ。


敵国からの難民や移民がスパイだという事も少なからずある。

そういった者達が国を内部から破壊するのである。


「鉄の産業は言うならば国防にも一役買っているのですよ」

「武器なんかいらないっていう人は敵国に支配された国を想像すべきよね」

「うわ、想像しただけで背筋が凍るわ」

「それこそ自由なんかなくなるわよね」


それが武器を持たない、軍隊を持たないという事の行き着く先である。

だからこそ武器も軍隊も国を守るには必要なのだ。


「ついでに敵国に支配された場合真っ先に殺されるのは誰だと思います?」

「反乱分子とかじゃないの?」

「真っ先に殺されるのは招き入れた敵国との内通者よ、基本的にはね」

「まさに用済みになったので消されるという事ですか」


そんな鉄に関する軍隊との云々。

やはり武装は国を守る理に必要だと思った。


「さて、今日はここで宿を取りますか」

「そうね、次に行くのは明日よ」

「首都まではもう少しかかりそうね」

「ではゆっくり休んでおきますか」


ヒルデやエイルは武器や軍隊の大切さもよく知っている。

それは戦わずして守れるものはないからだ。


戦いの経験はその大切さを語るのである。

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