表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/230

北の国へ

情報を手に入れ北の国へ向かう事になったアレイシャ達。

とはいえ国境までは遠いのでエロイーズの手配により鉄道を確保する。

その鉄道で全速で飛ばして正午過ぎにはなんとか国境の街に着く。

ここからは異国の地である。


「さてっと、国境の街にはなんとか着けたわね」

「それにしても帝都からだとここまで距離がありますね」

「仕方ないわよ、帝都があるのは国の中央の南部寄りだもの」

「それで国境は越えられるのよね?」


そこは任せろと言うエロイーズ。

今は彼女に従い国境の検問所へと移動する。


「少し待ってなさい」

「何か交渉でしょうか」

「あの子本当にシスターなの?どうにもスキルが高すぎるわ」

「私もそれは思うけど、今は彼女を頼るしかないもの、仕方ないわ」


そうしてエロイーズが戻ってくる。

どうやら国境を越える許可をもらったようだ。

この戦時下において簡単に国境を越える許可をもらう。

それは何かしらの裏技でもあるのだろうかと思う。


そうして国境を越え北の国へと足を踏み入れる。

北の国は当然のように寒く玄関口の街でも冷え込む。

ちなみにバルディスタの国土は世界でも広い方だ。

西の国と戦争になっているため西部は大部分が戦場になっている。


帝都があるのは南部寄りの中央部。

この世界は多少なりとも技術は発達している。

鉄道や飛空艇などは技術として確立されており銃火器も発達している。

とはいえそれでも蒸気や火薬が主流であり高度とまではいかないレベルである。


「それにしてもこの戦時下で鉄道の手配なんてどうやったのよ」

「それは秘密、まあ職権濫用と思っていいわよ」

「職権濫用って、あなたエメラダ教のシスターですよね」

「呆れた人ね、まあ今回ばかりは助かってるけど」


なんにしてもここからは北の国のノルスタニアである。

冷え込むという事もあり防寒具を確保する。

手持ちはそんなに多くないので最低限しか確保は出来なかったが。


「これでもないよりはマシかしら」

「寒いのには慣れてるとはいえ北国はそれとは違うものね」

「本格的に寒くなるのはもっと北に行ってからよ」

「覚悟を決めますか、ここから一番近い街でも村でもそこに移動しましょう」


そうして国境の街を出発し一番近い街へ向かう。

エロイーズが検問所の番兵に聞いた話ではそれらしき人は北東に向かったという。

とはいえそれは二年前の話であり今における信憑性は微妙だ。


「それで、二年前の話を信じるとか本気なの?」

「信じるしかないのでは?例えいなくても行き先に繋がる情報を得ないといけません」

「そうね、行方を知るには古くてもそれを頼るしかないのよ」

「アレイシャも苦労してるのよね、あたしは何も知らないし」


そのまま北へ進むと雪がちらつき始めた。

とはいえ今は比較的温暖な方らしい。


「この国で鉄道や船を使うとしたら最低でも流通都市に行かなきゃね」

「流通都市?」

「この国の物流の要ですよ、港街や飛空艇の発着所に運ぶのが主です」

「国境を直接通るんじゃなく空や海から他国に荷物を届けてるのよね」


この国では貿易においては空と海から運ぶものだという。

エロイーズの話では北の国は他の国より技術が発達しているそうだ。

飛空艇や船の多くが北の国で造られているらしい。

他国はそれを購入し軍事や輸送手段として運用するそうな。


「ふーん、つまり技術大国っていう事なのね」

「ええ、国内に点在する小国はそんな技術を支える職人も多いそうよ」

「他にも鉄鉱石などが豊富に採れるからこそでしょうね」

「鉱物資源の豊富さも技術を支える一端よね」


そうして話しているうちに村が見えてくる。

その村は規模こそ大きくないものの、必要な施設は揃っていた。


とりあえず宿を確保し明日以降の予定を考える。


「とりあえず各街や村で情報が欲しいわね」

「なら王都を目指しつつ情報を集めればいいわ」

「私もそれに同意です、今は情報が大切ですから」

「あたしも、ただ国外への船や航空便は厳しそうだけど」


とりあえずは王都を目指す事で一致する。

この国がハズレの場合はまた情報集めである。

それでもヒルデを見つけるまでは諦めるわけにはいかないのだ。


戦争を横目にアレイシャ達はその行方を追いかける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ