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詩集 手をつないだら

はじまり

作者: 小日向冬子

古い小さなアパートで

互いのほかに何もなく


くたくたになるまで働いて

泥のように眠ったね

僕たち


いつも気がつくと

きれいに片付いていた

乱雑に使いっぱなしの

昨夜の食器たち


目に浮かぶ

僕が眠りに落ちたあと

音を立てないようにと

そっと流しに立つ君の姿


ねえ、知ってた?


あのとき

鉛のように疲れ切っていた僕の胸に

ポッと小さな灯がともったんだ


そして僕は

初めて知った


ほんの些細な出来事で

温かく強い何かが

確かに動き始めるってことを


ごくごくちっぽけだった熱量は

僕らの間を行ったり来たり

何度もぐるぐる回りながら

どんどん大きくなっていったね



ねえ、忘れないで


今でもそれは

僕の胸の中で

生き生きと回り続けているんだよ

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