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心の花  作者: そら
第5章
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第5章 第11話

はい、そろそろ終わりに近づいてます。

読んで下さりありがとうございます。

リーナだってわかっている。


そりゃ、ギランに死ぬギリギリで遊べっていったわ。


それで、少しは群れで生きる彼らに、瞬間の判断ができぬ怖さを身に染みてわかってもらおうと思ったんだけど、何か方向が間違ってるわ、あれ。


バカ、馬鹿なの?ラージスの血統種って・・・。


あれから傷も対して癒えぬまま、ラージスからウネウネ主従に伴われてきた数百の兵たちは、ギラン隊の奇襲、まあ、あれは、おのおの好きに特攻かけたにすぎないけど、それに理詰めの攻撃をボロボロに崩され、こてんぱんにされたのだけど、今度はギラン隊の攻撃を模倣しながら、また訓練を再開させていた。


きっちりギラン隊の攻撃を一つ一つ繰り返し、それに対する最善策は、なんてやっている。


しかし、さすがエリート、ギラン達さえその場で忘れているそれを忠実に再現して、いわゆる傾向と対策を懸命に行っている。


ふっ、こんな事続けて、相変わらず私の好きな景色を、あなた達のキラキラ甲冑で見せないというなら、私にも考えがあるわ。


窓の外をみながら、みてらっしゃい、と不穏なあれこれを考えていた私に、父が聞いてきた。


ルーク達も私を見ていた。


逃げるな、ってことね。


現在の状況といえば、ニルガ傭兵団恒例の会議中だった。


それを窓の外なんてずっと見ていたものだから。


ええ、聞いてたわよ、ちゃんと、ちゃんとね。


私はため息を一つついて会議に参加している幹部連中を一人ひとり見た。


皆が緊張して私の答えを待っている。


会議の最後に、あのジェイムスが正式に私との結婚を申し込んできた。


ばっちり持参金やなにやらもつけて。


あなた、ナンとルークから、よくそれだけのお金隠し通したわね、と、いうか他にもいろいろありそうで怖いけど、考えるのが怖いけど。


前までであったら、私にこんな話を持ち込んだ人間は、即座に父に殺されていただろう、実際これがジェイムスでなければ、父でなくても殺されていたに違いない。


確かにウネウネ主従の実力は誰もが認めている。


この父でさえも。


そしてこのジェイムスといえば、食事もあまりとらず、お茶はかろうじて飲んでいるようだが、ハジムいわく、目の前に私がいるのに、触れることさえできず、初めて持つ愛する感情にラージスにいる間は耐えられていたが、目の前にいては・・・、という状態に陥っているらしい。


ばっかじゃないの!あんた、この間のベロベロは、触れるとこの騒ぎじゃなかったわよ!意味不明!


そう、私だってわかってる。


今のニルガは巨大になりすぎて、いずれ父なきあと、私の手に余るってことは。


だけどニルガのみんなが好き、これを分裂させる事も嫌。


若い幹部がどれだけ育とうが、それを押え従わせ有無をいわせぬカリスマがなければダメだってこともちゃんとわかってる。


自分ではいくら傭兵達が忠義を尽くそうとも、これだけ巨大になった組織をまとめるには無理があることも。


そんな私を補佐する男がそんじゃそこらの男ではダメなことも。


父やルーク達は私を心配するあまり、このままだとニルガの傭兵達のめぼしいもの達を狩りはじめるだろう。


私に会ったサイズのニルガにしようとして。


目をつぶり、あのバンナの大事な人達を思う、2度と仲間をそんな理由で失うなんて嫌。


私はジェイムスを見る、そのやつれた顔を、ハジムの必死に訴えかける目を。


そして答えた。


「私がトップよ。それを忘れないで、それと条件はちゃんと書いて渡すから。」


「父さま、ウェディングドレスは綺麗な真珠をちりばめたのにしてね。」


そういった時、議場はどよめいた、ジェイムスへと向ける殺気とともに。


理と心は相容れないってやつね、わかるわ、今私が一番。


ジェイムスはゆっくり立ち上がると、私の前にひざまづき綺麗な笑顔を見せ、恭しく礼をして私の手を取った。


「我が生涯全てをかけて、貴女を守り慈しみ愛し続けることを誓います。」


そう言うジェイムスに私が返したのは、思い切り足で胸を蹴った事だった。





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