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第6話
えっ、神官長あっという間の退場でした・・・。
副長のルースは、ラグゼ神殿の方角より、最初の爆音が聞こえた事を確認すると、街の要所要所に数名ずつ配置している、このニルガ傭兵団最強といわれる自分の配下である、遊撃隊第2の者に、事前に話した作戦に変更はないこと、ただし、付け加えて、
「相手はあれだ、鳥頭だ。つまらない、とか言いだし、何をしでかすかわからん!ロスが生じたと判断したら、各自その場を撤収、すぐさま鳥頭の部隊の奴らに、とって代わるぞ。時間が勝負だ。」
と、伝令をとばした。
ルースはしばらくの間、様子を見、ラクゼ神殿からの部下の報告を受け、順調に終わりそうだと判断し、すぐさま、自分の部隊の撤収をかけた。
この街の人間も、他と同様、自分の守るべきものが、守られていれば、ここは自分が手も口も出さずにいるべき事柄だと理解していた。
納めるべき頭税を払う相手が変わるだけだと。
こうして、ニルガ傭兵団の報復は終わり、ほどなくして、ラグゼのキルシュ家は失脚した。