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心の花  作者: そら
第4章
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第4章 第17話

昨夜は、ニコ動のストレッチマンを見せられ、あまりのことに大爆笑。

それらの梯子で夜更かしして更新は飛んで行ってしまいました。

本日の更新です。

あと2話くらいかな?この章が終わるのは。

そんな感じです。

遊びに来て下さりありがとうございます。



「どうですか、このお茶は、ここ最近ではいいとこいってませんか?」


そう言って、茶を差し出すハジムからカップを受け取る。


「お前、味はともかく、その肩から生えるそれで、私に差し出すか?開き直りすぎだ。」


そう言いながらも、その茶が気に入ったようで、一度口につけた後、おやっとした顔を見せる。


この帝王ジェイムスが、素の表情をみせるのは、このハジムと、リーナに対してだけだ。


「ニルガ傭兵団がこのケルダス王国から、近々撤収するそうですよ。」


そう言ってハジムは、やっと窓辺から主人であるジェイムスのもとまでくる。


「う~ん、歩くのまでこれにまかせてもいいんですけど、何分まだ幼いみたいで、歩いたほうが早いですね。」


それを聞いてジェイムスは、本気でそれはやめろと命令した。


考えてもみろ!それでなくても、このふてぶてしいこいつが、沢山のギルに持ち上げられて、座っていても立っていても、どちらでもいいが、その上で「主よ・・・。」とうさんくさい笑顔で傍にくるさまを想像しただけで、げんなりとした。


「その話ならジュール殿から聞いている。」


「では、かの君が、従弟殿に王位を受け渡し、生涯学問の研究にいそしむ、というお話は聞いておられますか?」


そう言って自分をみやる男に、


「ふん、うまく逃げたな!血筋的に言って側妃腹のジュールと、前王の弟君の正妃の子である、あの従兄弟カールといったか?あの男の方が血筋では上だ。」


ハジムは主が腰かける椅子の肘掛けに軽く腰を乗せ、


「馬鹿な男ですね、ほいほいと、この話に乗るなんて。まあ、頭のないプライドの高いだけの輩が、屋台骨をシロアリならぬ、ニルガと、その朋友であるジュール王に食い散らかされていることに、気が付くのは、かけてもいいですけどないでしょうね。」


「ほお、お前、そんな勝負にもならぬ事を主人である私に言うのか?」


おもしろそうに、ハジムを見つめたジェイムスは、


「だがな、ハジム。一度あることは、2度あるというではないか・・・。」


そう言って思い切り椅子に座ったまま背伸びをして、天井を見上げる。


目に映る繊細な透かし模様のはいった美しい天井絵に、細いいく筋もの触手が躍り上がっていった。


「ハジム、そう怒るな。案外お前にギルがあってよかったことが、たった一つあるな。」


「お前のそれは、お前の感情を素直にあらわす。お前の心など推し量ろうものなど、無謀以外の何物もないからな。その点ギルはまだお前に汚染されず、可愛いものだ。」


そう口の端をあげ思い切り背をそらす主人に、


「そんなに死にたいですか?」


と主人の座る椅子に向き、片手をもう片方のひじかけにつき、覆いかぶさるようにして、動けなくする。


至近距離でにらみつけるハジムに、笑みを引っ込めジェイムスは言った。


「主命である。すぐさまラージス帝国系譜から、愚かながら血筋は申し分ない者を選び出し、それをかつぐ人間もみつくろってやれ!二人出るぞ!」


二人出る!との言葉に目を細めたハジムは、その拘束を解くと、


「御意!」


と椅子の肘掛けから立ち上がり、うやうやしく礼をとった。


「やれやれだ、お前最近気が短くなったな。ギランの影響か?」


そういったジェイムスの言葉を聞くやいなや、背を向け立ち去るハジムの肩から、まとまった触手が鞭のように襲い掛かり、椅子の背もたれを貫通した。


とっさに立ち上がったジェイムスは、深々と刺さるそれが、しゅるしゅると元にもどるさまを見ながら、


「なあ、ギランやはり、お前に似てきたな。」


そう言って絨毯で寝転がり、茶と菓子をほおばるギランに声をかけた。

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