第4章 第16話
昨夜はパソコン争奪戦に見事敗れ、ニコ動に軍配があがりました。
と、いうわけで本日昼ちょこっと時間とれたので、短いですが更新です。
もう一度更新できる時間がとれれば更新します。
リーナは、自分の足元に寝そべる自称猫だという男の長い赤銅色の髪を、少しずつ手に取り三つ編みにして遊んでいた。
「ギラン、あんたが何であそこに入り浸ってるか考えたくもないけどね、ほんと、あんたってば居ればいるだけで、そりゃあめんどくさいけど、いなきゃいないで、また、余計めんどうなことはじめるわね。」
ちょっとため息をついたリーナは、三つ編みの途中に可愛いピンクの花も一緒に編みこんでやった。
「あんたの、そのおつむであまり小賢しいこと考えちゃだめよ。あんたの本能は信じるけど、あんたの知恵には期待しないわ。聞いてる?」
あまりにひどいリーナの言いようだが、ギランは自分をかまってくれている上、久々のリーナとの時間にひどく満足し目をつぶりながら、ほんとの猫のように、喉をごろごろしているようだった。
「あの口にするのも忌々しい、あのエロおやじ、あれは父さま臭がプンプンする人外だわ。」
「あら?でもあんなギルと共生している段階で、本物の人外にもなったわね。」
リーナはギランを反対側を向くよう促し、ギランはここぞとばかり、リーナの方を向くよう体勢をかえると、その腰に思い切りかじりついた。
「とにかく、いい加減にしないと、あんたなんか平気であの主従にのみ込まれちゃうわよ!あんたの本能が、あんんたに教えてくれてるはずでしょ?近づくなって!」
リーナは自分にしがみつく形になったギランの頭を思いっきり叩いたが、ギランは子供が嫌々するように首をふって更にしがみついてきた。
リーナは、そんなギランをみて、ふっと笑うと、
「大丈夫よ、父さまは・・・。心配しないで、ね。」
そう言って遠くテラスで、相変わらず自分を見つめる父を見て、普段通り笑顔で手を振った。
ギランは一度動きを止めてその気配を、ボスであるグレンの気配を探るが、相変わらずその中に昏い不穏のものを感じて、その瞳は、リーナのお腹に隠れたその表情は、血風のギランと呼ばれるものに変わっていた。