月が眠る頃に
今回は二人の殺人とは別に短編小説を書きました。短編小説も書くのが初めてだったのでうまくできているか心配です。まぁ、いるかわからないけど僕のファンなら面白かったよって言ってくれるよね。うん言ってくれるはず。そう信じてる。
夜の街は、不思議なくらい静かだった。街灯が細い道を照らし、風が木の葉を揺らす音だけが耳に届く。
「眠れないの?」
その声に振り返ると白いパーカーを着た少女がブランコに乗って僕の方を見ていた。
「君こそこんな暗い夜に。」
「私は毎日この公園に来てるから。」
そう言って彼女は笑って月を見上げた。
「月っていつ眠るのかな。」
変な質問だった。
「月が沈んで日が昇った時じゃない?」
「そう思う?でも違うよ。」
意味は分からなかった。
それでも僕は少女の話を聞くために毎日その公園に行った。
少女には何を話していても楽しく過ごしていられた。
学校であったこと、将来の夢、家族のこと。
少女は何でも聞いてくれた。
自分の話は全然してこなかったけど、月の話をしているときは楽しそうだった。
「満月の時は元気に夜を照らしている。」
「半月の時はさみしそうに夜を照らしている。」
そんなことを本気で信じているようだった。
「名前を教えてよ。」
「覚えててくれる?」
少女は少し恥ずかしそうに下を向いた。
「忘れない、覚えておくよ。」
「じゃあ、また明日来てくれる?」
少女は嬉しそうに聞いてきた。
「ああ、もちろん行くよ。」
次の日、少女といつも話している公園に行った。
でも、少女はいなかった。
一週間待っても、一か月待っても。
ある日、ベンチに座っていると清掃員が声をかけてきた。
「誰か探しているのかい?」
「ええ。白いパーカーを着ている女の子を。」
清掃員はその女の子のことを聞いてブランコの方を向いた。
「10年前にこの公園で事故があってね。」
「夜遅くに女の子が倒れていてね。助からなかったよ。」
僕は息をのんだ。
「その子も白いパーカーを着ていてね。ブランコが好きだった。」
その夜、もう一度その公園に行った。
雲一つないのに月が空に浮かんでる。
月を見上げていると
「ありがとう」
少女の声だった。その日は満月だった。
少女の言っていたことを思い出した。
「満月の時は元気に夜を照らしている。」
「半月の夜はさみしそうに夜を照らしている。」
満月だったけど少し月は暗かった。
「寝ているのかな。」
僕は何となく月が眠るのは誰かが安心して眠りについた時なのかもしれないと思った。
どうでしたか?最後まで読んでくれてありがとうございます。また気が向いたら短編小説を書くのでぜひ読んでくださいね。




