高天原戦争・長期化と泥沼化(2323〜2325年)
1. 戦況の膠着
• 地球戦線:大西洋蜂起は鎮圧されたが、地下レジスタンスは残存。治安維持にOSTOの
兵力が固定化。
• 宇宙戦線(L1〜L3):高天原軍は拠点確保に失敗し、散発的ゲリラ戦に転じる。OSTO
も決定的勝利を掴めず。
• 火星戦線:赤い都市とオリンポス高原を軸に双方が睨み合う。ドームの破壊と修復、地
下トンネル戦、物資輸送路の破壊工作が常態化。
結果、どの戦線も**「決定打なし」**のまま消耗戦に陥った。
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2. 高天原の状況
• 財政は限界を超え、宇宙税はもはや住民生活を破壊。
• 食糧・物資の配給制が敷かれ、住民は事実上の軍事国家の囚人となる。
• 保安警察は反対派を粛清し続けるが、地下には「和解派」「降伏派」の秘密結社が広が
る。
• プロパガンダでは「火星と高天原の勝利は近い」と喧伝されるが、市民は疲弊し、熱狂
は冷え込み始める。
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3. OSTOの状況
• 戦費負担は膨大。復興投資と並行する戦費は加盟国の財政を圧迫。
• 日本・オーストラリアは隕石被害からの再建途上で、戦争継続に国民疲労が広がる。
• 名古屋のOSTO議会でも「即時徹底戦争派」と「限定講和派」の対立が激化。
• OSTOもまた「勝っているのか?負けているのか?」が分からない状況に追い込まれて
いく。
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4. 火星戦線の地獄(2324年)
• 赤い都市の住民は飢餓に直面、ドーム外の農業区画は度重なる攻撃で壊滅。
• 水資源をめぐる争奪が激化し、火星独立派とOSTO支持派が互いに井戸や氷鉱を爆破す
る事態に。
• 市民社会は崩壊し、犯罪組織や武装民兵が都市を支配。
• この頃から「火星難民」が宇宙船に乗ってL2や地球に流れ込む。
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5. 新兵器と総力戦化
• 双方とも疲弊を挽回するため、新兵器を投入:
• 高天原:無人ドローン艦隊(AI制御の突撃艇群)。人的損耗を減らす狙い。
• OSTO:軌道要塞化計画(L1〜L3の一部を軍事拠点に改造)。
• しかしこれにより一般市民の犠牲は増大し、「科学都市・農業都市の破壊」という戦争
犯罪的行為が横行。
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6. 社会的影響
• 宇宙社会全体が「戦争経済化」していく。
• 農業コロニーでは強制徴発。
• 大学や研究所は兵器開発に動員。
• 民間輸送業は「半ば徴用」状態。
• 戦争の長期化で、地球市民も宇宙市民も「この戦争は何のためなのか?」と疑問を抱き
始める。
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7. 歴史的評価
• 後世にはこの時期を「暗黒の三年」と呼ぶ。
• 戦線は動かず、犠牲者と破壊だけが積み上がる。
• 2325年頃の記録には、両陣営の市民の日記が共通してこう書かれている:
「勝利は見えない。ただ、明日もまた血が流れる」




