高天原戦争・火星戦線(2320〜2322年)
1. 背景
火星は2270年代から本格的に開発が始まり、2299年には「赤い都市(マルス・ルー
ジュ)」が完成。
高天原国民にとっては 「誇りと犠牲の象徴」 であり、莫大な資金を投じた最大の成果で
もあった。
しかし、2318年の高天原クーデター後は、火星入植者の間で立場が分裂:
「地球とOSTOに忠誠を誓う」派(安定志向、技術者や企業系)
「高天原の悲願を守る」派(独立志向、農業・鉱業従事者)
そのため、火星は分裂した緊張状態のまま戦火に巻き込まれる。
2. 高天原軍の作戦(2320年)
高天原宇宙軍は、L1〜L3戦域で劣勢に立たされた後、戦略の重点を火星に移す。
目的:
火星の独立を宣言し「人類の新天地」を掲げることで国際的支持を獲得。
同時に鉱物資源・食料供給を確保して長期戦を維持。
作戦名:「赤き盾」。
3. 火星独立宣言(2320年8月)
赤い都市で高天原派入植者が「火星独立宣言」を発表。
宣言文:
「我らは地球の鎖から解き放たれた。火星は火星人のもの、高天原と共に歩む!」
高天原宇宙軍が即座に赤い都市へ進駐し、火星旗と高天原旗を掲揚。
火星の人口約300万人のうち、3割ほどが独立派に呼応、残りは中立・反対。
4. OSTOの対応(2321年)
OSTOにとって火星は「国際協力の成果」であり、絶対に手放せない。
名古屋のOSTO本部は「火星奪還作戦」を発動。
地球〜火星間に大規模補給船団を送り、軍事要塞化を急ぐ。
これが人類史初の星間規模の補給戦争となった。
5. 火星会戦(2321〜2322年)
第一次赤い都市攻防戦(2321年5月)
高天原宇宙軍が赤い都市を拠点化。
OSTO軍は上空から軌道爆撃を試みたが、市街に多数の民間人がいるため限定攻撃に留ま
る。
地上戦は泥沼化し、都市のドームが度々破壊・修復を繰り返す。
第二次会戦(2322年2月)
OSTOは「オリンポス高原」に新拠点を建設し、反攻を開始。
高天原軍はゲリラ的に鉱山地帯・地下居住区を利用し、持久戦を展開。
双方の消耗は激しく、戦線は膠着。
6. 市民の分断
火星市民の間では激しい対立:
高天原派:「地球に搾取されるより独立を!」
反高天原派:「また犠牲を強いるのか、地球と共に未来を築くべきだ」
内部抗争・暗殺・破壊工作が日常化し、火星社会そのものが分裂。
「火星戦線は高天原戦争の縮図」と言われる。
7. 戦略的評価
高天原軍は火星で一定の拠点を確保することに成功したが、全面制圧には至らず。
OSTOは火星を奪還できなかったが、独立派の拡大を阻止することに成功。
結果:火星は「分割統治」状態に陥り、戦争の泥沼化が決定的となった。
8. 歴史的意義
火星戦線は人類史上初の「惑星間戦争」として記録された。
また、火星人(入植者)が初めて**「自分たちは地球人とは異なる存在」と意識する契機
**にもなった。
後世の歴史学者は「ここから人類は、地球人・宇宙人・火星人という三つの政治的アイ
デンティティに分裂していった」と分析している。




