2318年 高天原保安警察クーデター
1. 背景の緊張
2310年代後半、高天原全体は不満と絶望に覆われていた。
政府議会は火星開発と大西洋復興から手を引けず、財政は完全に破綻寸前。
各地で暴動が頻発し、保安警察は繰り返し投入されていた。
その内部で「議会が無能なら我々が立て直すべきだ」という強硬派が形成。
2. クーデターの開始(2318年4月12日 午前2時)
深夜、議会区画と主要通信施設に保安警察の装甲部隊が無血進入。
**高天原首都コロニー「高天原一号(旧第二世代実験コロニー)」**は、環状の区画ごと
にゲートで仕切られており、そこを一斉に掌握。
OSTO通信衛星回線が遮断され、外界への情報発信は遮断。
3. 議会制圧(午前4時)
宇宙住民議会の議員宿舎を急襲、主要議員を拘束。
一部議員は抵抗を試みたが、速やかに鎮圧される。
政府首脳も軟禁状態に置かれ、事実上の「無血制圧」。
保安警察部隊は広場に戦闘車両を配置し、「議会は国民を裏切った」との声明を市民放送
で流す。
4. 宣言の瞬間(午前6時)
首都中央ドームの広場にて、保安警察長官が**「高天原臨時救国政府」樹立を宣言**
。
演説の要旨:
「我らの父祖は人類を火星に導き、大西洋を復興させた。しかしその誇りの代償に、高天
原は血を流し、飢えに苦しみ、借金に沈んだ。我らの議会は無能であり、地球の操り人形
と化した。
本日この時より、議会は解散し、我ら保安警察が臨時救国政府を樹立する。
高天原は高天原のために生きる。地球のためではない!
そして我らは人類の未来を奪い返すため、行動を開始する!」
演説と同時に、高天原旗だけが掲揚され、OSTO旗は焼かれる。
市民の一部は喝采を上げるが、多くは恐怖と混乱に沈黙。
5. クーデター直後の動き
保安警察は即座に**「火星開発縮小・大西洋出費停止」**を布告。
さらにOSTO本部に対し「不当な収奪をやめよ」と最後通牒を送付。
しかし同時に密かに隕石投射計画(作戦名:「神槍」)を発
動。
小惑星帯から牽引中の資源小惑星を、日本とオーストラリアに向けて軌道修正。
この暴挙が、やがて高天原戦争の火蓋を切ることとなる。
歴史的評価
後世の歴史家はこの日を「高天原の暗黒の夜明け」と呼ぶ。
それは、誇りと独立を求める最後の足掻きであり、同時に破滅への第一歩でもあった。




